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タンブルウィードの冒険/ウィッチ・タンブルウィードとウィンドマンと旅人の樹の精霊とマダガスカル島と人間が歩いてきた道の数と風が運んだもの

 
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「歩いてマダガスカル島にたどり着くことは可能か? 骸骨がスカラシップを使わずにマダガスカル島にたどり着くためのスキルが知りたい」とウィンドマンは言った。

「おれは足がないから歩けない。風に吹かれることしかできない」とウィッチ・タンブルウィードは言った。

「風はわたしが起こしてあげよう」とギャビン・ライアル・ワトソンこと旅人の樹の精霊は言った。旅人の樹の精霊がからだを背後に反らし、前方に倒すと強い風が起こった。ウィッチ・タンブルウィードは風を受けて瞬時に高く舞い上がり、風に乗った。このようにして、マダガスカル島への旅は始まった。

ウインドマンは眉間に深いしわを寄せ、苦虫を噛みつぶしたような表情で風に乗って遠ざかるウィッチ・タンブルウィードを見送った。

「俺は人間が歩いてきた道を歩く。人間が歩かなかった道も歩く。そうすれば、いつか目的地にたどり着く。目的地はマダガスカル島だ。旅の目的? 旅のさなか、歩いているあいだに考えればいい。ついでに、人間が歩いてきた道の数も数えることにしよう。急ぐ旅でもない」

言い終えるとウインドマンは歩きだした。ウインドマンの歩いたあとには細くうねった道ができた。ゆっくりと遠ざかるウインドマンの背中に向かってささやくような声で旅人の樹の精霊は声をかける。

「いい旅を。激しい雨の中でタンバリンを打ち鳴らしながら転がる石のように天国の扉を探しつづけてきたウインドマン。大地のヘソがいつもともにありますように」


Attack of the Tumbleweed
 
by enzo_morinari | 2018-12-11 17:51 | タンブルウィードの冒険 | Trackback | Comments(0)

木偶の坊野暮天ノータリン能無し佐平治の極楽とんぼぶり

 
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沖縄の民を異民族として切り捨てるのか! 在日外国人労働者を見捨てるのか! そう大声で啖呵を切った舌の根も乾かぬうちにぬけぬけと朝から晩まで文楽三昧だとよ(´Д` ) 極楽とんぼが文楽とは大嗤いもいいところだってのよ! アゴアシ見物料お代は一切合切年金という名の税金でよ! その銭カネ沖縄の民と在日外国人にくれてやれってのよ!

来る日も来る日もバカ酒喰らって、大めしたらふく喰らって、やれ落語だやれお能だやれ文楽だやれ歌舞伎だと酔生夢死にうつつを抜かし、のうのううまうまと生きてやがるポンコツボンクラヘッポコスカタン木偶の坊が寝言たわ言能書御託をならべてんじゃねえってのよ!

弱者に寄り添うふりをして、中身は安全圏安全地帯に身を置いた安穏天下泰平楽の極楽とんぼ。言うこと書くことやることなすことすべてが中身空っぽうわっつら上っ調子薄っぺらペラペラスッカスカあさはかで愚劣陋劣ときたもんだ。ムカッ腹が立って臍茶がアッチッチだってのよ! アッチいけ! 下衆外道木偶の坊の佐平治! なんの心配もいらねえから一刻もはやく死ねばいいのにΨ(`▽´)Ψ
 
by enzo_morinari | 2018-12-11 15:41 | Sharp Tongue | Trackback | Comments(0)

Stupid Cupid Kewpie/TATTOO<刺青>あり。左手の小指の先端なし。

 
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倭人はみな黥面文身、海に潜って魚を捕る。San-gok-si Gi-sho Toi-den Wajin No Joe
3分でできあがる料理は3分で終わる人生のようなものである。E-M-M


コスモポリタン街のビーナス・アヴェニューとエロース・ストリートの交差点でRose O'Neillを待っているときに全身に犬鯨のタトゥーをいれたKewpieが現れた。TQCの登場だった。

全身に犬鯨のタトゥー、カブのように尖った頭と髪型、2.5頭身、小さくて短い眉毛、わずかに上がった口角、うつむき加減の顎、大きく開いた手のひら、ぽってりしたおなか、背中に生えた小さな羽根、性別不明。Kewpieそのものだった。左手の小指は第2関節から先がなかった。

「初めまして。極道のゴキューピッド/ゴクピードー/ゴクピド/TQCです」

やはり、Kewpie本人だった。「あなたにこれから愛のけじめの矢を放ちます。かなり痛いけど、我慢してください」

TQCは暇さえあればとどまることなく味の素のマヨネーズとQPコーワゴールドを飲んでいる。味の素のマヨネーズ? そこは断然キユーピーのマヨネーズだろう?

「イロエロありますが、ここはどうかひとつ極道天使にラブ・ソングをおねがいします」

天使にラブ・ソングを? それはキューピーじゃなくてウーピーだから。ウーピー・ゴールドバーグ! やれそれ。

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キユーピー3分クッキングのテーマ曲 (Full Version)
 
by enzo_morinari | 2018-12-11 08:56 | Stupid Cupid Kewpie | Trackback | Comments(0)

老人とパン/パリの痛みのパンタグリュエル・パン

 
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痛みのパンなくして前進なし。E-M-M
涙とともにパンを食べた者でなければ人生の味はわからない。J-W-V-G


冬のパリは痛い。冬の旅も痛い。おなじくらいにパンは痛い。涙とともに食べたパンは数知れない。

涙のパンを求めてパリの街をヴァガボンドしていた頃、セーヌ・フランソワーズ左岸、Quartier Saint-Germain-des-Présの北のはずれのパン屋で痛みのパンタグリュエル・パンを焼くパン職人の老人と出会った。パン職人の老人の名はFrançois Honoré de Balzac Rabelais=Sagan. 92歳。


Wer nie sein Brot mit Tränen aß/He who never ate his bread with tears D480 Op. 12/2 (Franz Schubert) - Hermann Prey/Gerald Moore
Wer nie sein Brot mit Tränen aß/He who never ate his bread with tears S.297 (Franz Liszt) - Hans Hotter/Michael Raucheisen
Wer nie sein Brot mit Tränen aß/He who never ate his bread with tears (Hymn) Op. 113 - Jean Sibelius
Winterreise/冬の旅 D911 (Franz Schubert) - Fischer Dieskau/Maurizio Pollini
Winterreise/冬の旅 D911 (Franz Schubert) - Ian Bostridge

 
by enzo_morinari | 2018-12-11 00:34 | 老人とパン | Trackback | Comments(0)

Stupid!

 
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黙らんかい! アホンだら!バカ野郎!Mr. T

この国にはふたつの貧乏物語がある。一般家庭の貧乏自慢と貧困家庭の貧乏隠しだ。E-M-M

Stupidども! ひもじい思いをしている者たちがいて、その酒、そのめし、そのスウィーツはうまいか? お能落語歌舞伎アート映画ライブ旅行はたのしいか? おもしれえか?E-M-M


かつてあちこちで勝ち組/負け組という言葉を耳にした。そのたびに虫酸が走った。とうとう腹にすえかねて、六本木ヒルズ森タワー51階のRoppongi Hills Clubで行われたアントレプレナーの集まりで勝ち組/負け組と大声でほざいていたベルサーチ髪染め野郎を袋叩きにした。IT企業のCEOだった。ITバブル/ドットコム・バブルの申し子。六本木ヒルズの1フロアに御大層なオフィスを構えてふんぞり返っていた若造小僧っ子の下衆外道。21世紀の幕開け、2001年の真冬のことだ。数年後に日経の1面に記事が載るほどの大型倒産。そればかりか、その若造小僧っ子は出資法違反と粉飾決算(詐欺/特別背任)の罪で東京地検特捜部に逮捕された。ざまあない。出所したら鬼の庭の評定/お裁きがお待ちかねだ。吐いた唾は飲ませない。地獄の底までも追いかけ、追いこむ。吊るか切るか飛び降りるか飛び込むかさせる。しないならケムリにしてやる。耳削ぎ鼻削ぎ爪抜き歯抜き舌抜き目玉抜きのあとに。

だいたいからして、持株会社/Holding Company/○○ホールディングスというのが気に入らない。幻想にすぎないゼニカネ/金融で支配するという発想は下衆外道のものだ。支配する下衆外道どもは現場/最前線の兵士/セールスマンの死にはいささかも思いをいたさない。生きようが死のうがおかまいなし。100万の兵が全滅しても、ゼニゲバ戦線異状なし。ゼニカネ/金融/既得権益以外はすべて使い捨て/消耗品だ。

この国の企業のあらかたは上場/非上場、大中小零細を問わずに内部留保とサービス残業が大手を振ってまかり通っている。日本企業はすべて例外なくブラック企業/暗黒企業/闇企業だ。

社奴/社畜として50年こき使われ、消耗し、疲弊し、老い、劣化し、スズメの涙の退職金をあてがわれて、使い捨てられる。

いったい、いつ愉しむんだ? いつ気分よく生きるんだ? 叛乱を起こさないおまいらはどいつもこいつもStupidだ!


Stupid - The Birthday
 
by enzo_morinari | 2018-12-10 04:12 | 沈黙ノート | Trackback | Comments(0)

嵐と衝動遊び/もうほとぼりが冷めた頃だろうとタカをくくっている者たちへの警告をかねて

 
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Blow, winds, and crack your cheeks! rage! blow! (King Lear/Act 3, Scene 2) W-S


私のためのロマンティック・ピリオドの前段階、嵐と衝動の時代。嵐と衝動遊びと名づけたいくつかの遊びをつくった。

嵐と衝動遊び1
地元/よその街を問わずにストリートを歩いていて、不良/ツッパリ/与太者/暴走族/ヤクザがいたらケンカをふっかけてStreet Fightをする。

嵐と衝動遊び2
人通りの多い場所で事前に決めていた色のものを身につけている女(年齢/単独複数は問わない)の前でいきなり土下座し、「セックスさせてください! Sex, Drugs and Rock’n’Roll!」と叫ぶ。

嵐と衝動遊び3
空前のディスコ・ブームで毎週どこかでパーティーが行われていたので、「違法集会特別取締捜査官」を名乗ってパーティー会場に乗りこみ、主催者を呼びだして金品を巻きあげる。私のパーティーつぶしは瞬く間に不良どものあいだにひろまり、中にはマネをしてパーティーつぶしをやる者が雨後の筍状態で現れた。当然、事後に著作権使用料を徴収した。速やかに応じない場合は大審問官/検察官として鬼の庭で肉体言語裁判を行い、苛烈熾烈峻烈な判決を宣告し、即時執行した。上訴不可。証拠調べなし。鬼の庭においては一事不再理/疑わしきは被告人の利益に/罪刑法定主義の法理はいっさい通用しない。なんとなれば、俺が掟だ!/I, the Jury!だからである。

嵐と衝動遊び4
週末の午前零時前後に幹線道路をひたすら歩き、通りがかった暴走族の集団を停止させてクルマ/バイク/金品を強奪する。身ぐるみを剥ぐ。私はこれをたったひとりの歩き集会と名づけた。たったひとりの軍隊/軍団である私は日本刀を一振り持って武装していた。のちに「走る暴力団」の異名をとったシカンボが中心となって東京下町の悪ガキどもが結成した極悪が歩き集会をやるようになるけれども、私が手ほどきした。手ほどきギャラは未払いのままだが、永遠に支払われることはないだろう。当時の極悪の構成員は死刑/無期懲役/長期の有期懲役/殺人の被害者/事故死/病死/自死してひとりも残っていない。

嵐と衝動遊びは成人してからもつづいた。以後、気が向けばそのいくつかをしるす。決して、夢にも、真似/パクリ/模倣/参考にしてはならない。ろくなことはない。まちがっても7の目は出ないものと知るべし。そして、凄絶壮絶な最後にして究極の嵐と衝動遊びはこれから始まる。きょうび、草の根をわけても探しだすのは造作もないことだ。草の根をわけるまでもなく、手間も暇もかからない。ヒョヒョイのヒョイ仕事だ。ケムリにするのは赤子の手をひねるよりもたやすい。血祭り/八つ裂きの宴は世田谷弦巻の養父志で始まる。


腹くくっとけよ、居残り木偶の坊。Ψ(`▽´)Ψ
 
by enzo_morinari | 2018-12-09 17:03 | 嵐と衝動遊び | Trackback | Comments(0)

『シンドラーのリスト』を奏でる少女

 
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蝋燭のあかりは細く小さくていい。E-M-M


1994年の早春。横浜山手・根岸台の洋館。ひどい寒さと強い風の日だった。場ちがいな集まりに来てしまったことに後悔しはじめていた。ワインなどではなく、強い酒が飲みたかった。安く強い酒を。一人で。嘘くさい笑い声など聴きたくもなかった。腑抜けて引きつったようなお愛想笑いに唾を吐きかけたかった。もちろん、世界にも。一人になりたかった。

宴の終わり近く。うんざりした気分を打ち消すように一人の少女が思いつめた面持ちでホールの中央に進みでた。少女は古く時代がかったフリルのついた赤いドレスを着ていた。年の頃、10歳前後。少女からおとなへのとば口に震えながら立ちつくしているように思われた。

少女はあちこちニスの剥げた古色蒼然としたヴァイオリンを抱えていた。かき抱いていた。大切なものを何者にも触れさせまいとする強固な意志の力が感じられた。私は少女の瞳の中に強く深い絶望と怒りと憎悪を読み取った。ペグの天使の彫刻が憤怒の形相をしているかにみえた。

少女は自分の祖母が長い癌との闘病の果てに数日前に死んだことを話しはじめた。そして、ホロコーストについて言及し、死んだ祖母がユダヤ系ポーランド人であり、自分はユダヤ系フランス人の母と日本の外交官とのあいだに生まれたのだとも。

愚にもつかぬ談笑の種々がぴたりと止んだ。軽佻浮薄な宴の場は一気に静まり返り、凍りついた。その場にいる者のすべての視線が少女に注がれた。固唾を飲みこむ音があちこちから聴こえてきた。

S.スピルバーグの『シンドラーのリスト』が興行的に大成功を収め、アカデミー賞をほぼ総なめにして間もない時期でもあって、少女の切々たる話は上っ調子な宴の場を深い沈黙の館へと変えた。

「お願いです。どうか、わたしたちの悲しみと苦しみを忘れないで。聴いてください」

少女は話の最後に引きしぼるように言ってからメントニエラに小さくて華奢なあごをのせ、眼を閉じ、弓を祈りを捧げるように持ちあげた。そして、『シンドラーのリスト』を奏ではじめた。少女がヴァイオリンを弾く姿は強く深い痛みをともなう祈りの姿ででもあるように思われた。

少女のリコッシェ・サルタートとポルタメントのかけ方は独特で、ところどころにハイフェッツの憤怒のごとき鋭いイディオムを思わせるものがあった。フラウタートで奏でる音には目を見張るほどの柔らかさと悲しみとがあった。フラジョレットは思わず引きこまれるくらいに澄んだ音だった。グレゴリオ聖歌の『怒りの日』の旋律の一部が引用されたときにはわが耳を疑った。

フロッシュが何本も切れて生き物のように揺れ、舞った。先端のスクリューでなにかしらのど真ん中、土手っ腹を貫かれているような気分だった。あとで、少女のヴァイオリンの師匠筋にエリック・フリードマンがいると知り、なるほどと納得した。

全体として技巧は稚拙きわまりもなかったが、魂に届く音だった。激しく揺さぶられた。嗚咽し、涙を流す者が何人もいた。

いまでも『シンドラーのリスト』をみた冬の夜には少女のことが頭をよぎる。ギロチンの刃先のような鋭利で凄味のきいたヴァイオリンの音色とともに。そして、少女と『シンドラーのリスト』の赤い服の女の子とが重なる。四半世紀も昔のことだ。

25年の歳月を経て、彼女も今では母親となっているだろう。2014年の冬、ソチ五輪。彼女は赤い衣装を身にまとった氷の上の少女、ユリア・リプニツカヤの『シンドラーのリスト』の舞いを、キャンドル・スピンをどのような思いでみていたか。こどもたちに『母が教えてくれた歌』を聴かせているだろうか。彼女の心に薄闇の中の細く小さな蝋燭の炎は灯っているだろうか。そうあればいい。人間はひとつの命さえ救うことはできないが、どうか、そうあってほしい。

25年のあいだに蝋燭のあかりはどうなったか。冷酷と強欲と無関心と見て見ぬふりはなにひとつ変わっていない。変わっていないどころか、さらに巧妙に狡猾に陰湿陰険になっているように思える。いずれ蝋燭の小さな炎は消えるだろうが、それまでは、細く小さく灯りつづけてほしいものだ。


蝋燭のあかりは細く小さくていい。

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Theme from Schindler's List
Itzhak Perlman (Violin)
Luka Sulic (2CELLOS)
Simone Lamsma (Violin)/Davida Scheffers (English Horn/Cor Anglais)
 
by enzo_morinari | 2018-12-08 20:53 | 昔々、横浜で。 | Trackback | Comments(0)

クリスマス・イブにはイの一番に言わなきゃあいけないこと/虎造がサンタ・クロース♪

 
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1964年のクリスマス・イブは2人のサンタ・クロースがやってきた。1人は生物学上の父親、もう1人は二代目広沢虎造だ。5日後、TVのニュースに虎造サンタが出ていた。母親に虎造サンタがTVに出ていることを言うと、母親は針仕事の手をとめてTV画面に目をやった。

「虎造サンタさんは天国に行っちゃった…」

母親はぽつりと言い、涙を浮かべた。

「サンタ・クロースがいないことも天国がないことも知ってるよ。泥巡やったりメンコやったりベーゴマやったりおままごとやってるガキどもはサンタ・クロースはいるし、天国はあると思ってるだろうけど。おれは見た目はこどもでも、中身はとっくの昔におとななんだ」

私が言うと、母親は私を抱き寄せ、強い力で抱きしめ、嗚咽した。母親はコールド・クリームとミクロゲン・パスタと黒ばらのジャコーの混じった匂いがした。

その日の夜おそく、世界が寝静まったころ、虎造サンタがやってきて嗄れ声で言った。

「ハマっ子だってねえ」
「パリっ子だけどな」
「…スシを喰いねえ、スシを」
「タラコの焼いたのとマルシン・ハンバーグと江戸むらさきとエイトマンののりたましかないけどな」
「…サケを飲みねえ、サケを」
「サケは飲むもんじゃなくて泳ぐもんだけどな」
「…もっとこっちへ寄んねえ」
「目の前にいるけどな」
「…あんたのからだを二晩借りたよ、祇園の街で」

虎造がサンタ・クロース♪ 虎造がサンタ・クロース♪ 声の嗄れたサンタ・クロース♪


石松三十石船道中 二代目広沢虎造
 
by enzo_morinari | 2018-12-06 16:02 | 昔々、横浜で。 | Trackback | Comments(0)

汁まみれ

 
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みつはの女神が出て禊ぎの場処を上下の瀬と選び、迷うしぐさをしたあと、中津瀬のよろしいところで水浴をする。このふるまいを見習って禊ぎの場処を定めた。これが久しく意義不明のまま繰り返され、みぬまとしての女が出て、禊ぎの儀式の手引きをした。Sinobby Olly

水走る女は水の神、呪いの神、大蛇(オロチ)、蛟(みずち/みつち)の化身であって、精霊、物の怪、妖怪のたぐいである。水走る女は蜜迸り、滴る女でもある。古事記・日本書紀に弥都波能売神・罔象女神(ミツハノメノカミ)/水波能売命(ミヅハノメノミコト)とある。祖は水のマナの都、任那。E-M-M


朝、布団に入ったまま汁子のつくってくれた玉ねぎ汁を飲む。汁子はたぐいまれなる床上手/汁女だが、玉ねぎ汁もうまい。

朝めしは目玉焼きと鯵の干物の焼いたものと大根の味噌汁。食後、青汁を2杯。

昼めしは稲荷町食堂で豚汁定食。

夕方は浅草1丁目1番1号の神谷バーで浅草汁を肴に生ビール中ジョッキに電気ブラン落としこみを3杯。

晩めしは鯛の潮汁。

仕上げは汁子と汁まみれ。がまん汁さえ残らず。

明日は汁子の両親と雷門の柿汁で会食。両親の家業の汁粉屋の代替わりについて話しあう。晴れて本物の汁男となる日はもうすぐだ。いよいよ、汁男人生の年貢の納めどきである。

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by enzo_morinari | 2018-12-06 09:43 | 汁まみれ | Trackback | Comments(0)

サイガは忘れた頃にやってくる

 
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サイガくんが初めてやってきたのは1964年12月25日の夕方だった。

「ハッピー・バースデー、樽犬くん」
「サンタのジジイはどうしたんだよ。赤っ鼻のトナカイじゃねえしよ。つまんねえの」
「ごめん」
「それに、なんだよその鼻は。赤っ鼻じゃなくて長っ鼻じゃねえかってのよ! 青っ洟たれてるし」
「災害です。サイガなだけに」
「際限なくつまんねえな。佐平次クラスのつまらなさだ」

私が言うとサイガくんは窓際の鉢植えの中から芽吹いたばかりのローズマリー・クルーニーとスミレ・ヒマワリ・フリージア・セイコを無表情に食べはじめた。同時にフレーゼ医師が往診にやってきた。そのすぐあとに、横須賀のさいか屋からサイガの樹のクリスマス・ツリーが届いた。

「おひさしぶりです。サガワです」

コント55号年ぶりに姿を現したサイガくんは飛脚の格好をしていた。フレーゼ医師の診察はまだつづいていた。100歳を超えているのにたいしたものだ。かくいう私は還暦を迎える。世界はまったくどうかしてる。どーんとはいかないが、なんでそーなるのかと思うきのうきょうあしたのまたの日だ。

サイガくんの再登場につづいて、次から次へとブツリュー・アニマルとワケワカ・アニマルたちがやってきた。

「おじゃまします。黒猫のヤマトです」
「おじゃまします。死猫のムサシです」
「おじゃまします。死蜂のムサシです」
「おじゃまします。虻蜂のトラズです」
「おじゃまします。貧蜂のヒロシです」
「おじゃまします。走猫のヒロシです」
「おじゃまします。箱猫のシュレディンガーです」
「おじゃまします。半透明猫のチェシャです」
「おじゃまします。夢風呂のトルコです」
「跳びます跳びます。カンガルーのちょいワルのジローラモです」
「あなたのしあわせを運びにきました。ペリカンのニッツーです」
「蝶のように舞い、働き蜂のように刺して働いて蟻酸噴きまくりのアリのマークのヒッコシーシャ・モハメド・アリーです」
「ランランカンカンドウブツエン♫ 焼肉好きの引っ越しのパンダやさかい」

ノラミ・ドラムを叩いたような奇妙な音がしたので窓をあけるとミラノの聖サイガのクリスマス歳末列聖サイガ・イルミネーションが見えた。

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by enzo_morinari | 2018-12-05 12:03 | Animal Red Zone | Trackback | Comments(0)