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カテゴリ:グリムのロバの背中に乗って( 1 )

グリムのロバの背中に乗って/ロバの背中に乗ったイヌの背中に乗ったネコの背中に乗った雄鶏のみた夢の中へ

 
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求め探して彷徨って やがて詠われて 幾千、幾万、幾億の旋律となる
いつか失い奪われて消える運命でも それは忘れられることなき物語

世界の物語は猿芝居、三文芝居に成り果て、成り下がったが、刻まれし情念は幾千億の英雄物語を紡ぐ。役割を与えられた主役と、空っぽの脚本を持った脇役が紡ぐ物語。

僕らは生まれたときに一冊の本を与えられる。僕らの世界、生きる意味、運命。それらすべてが記された『運命の書』。全智の存在であるストーリーテラーが記述した『運命の書』に従い、僕たちは生まれてから死ぬまで『運命の書』に記された役を演じつづける。それがこの世界の人々の生き方。

── だからさ、教えて欲しいんだ。空白のページしかない『運命の書』を与えられてしまった人間は、いったいどんな運命を演じて生きていけばいいんだ?



ドロテア・フィーマンのすすめでアリスの薬を飲みはじめてからというもの、奇妙な夢や言葉や音が実体をともなって周囲を行き交っている。

世界は大きくなったり、小さくなったり、硬くなったり、やわらかくなったり、臭くなったり、いいにおいになったりしている。AIWS(不思議の国のアリス症候群/Alice in Wonderland Syndrome)とも考えられるが、Dr. ハタ坊の見解は異なる。

「あたしの処方した惚れ薬が効いてるのさ」
「でも、これっぽっちもあんたに惚れちゃいないぜ」
「時間の問題さ」
「時間なんかない。ないものを根拠に物言いをする者を愚か者と言うんだ」
「あたしはあんたの前ではいつでも愚か者さ。それが恋の奴隷さ」
「奥村チヨかよ!」
「奥村チヨは遠い親戚さ!」

埒があかないので、グリムのロバの背中に乗ったイヌの背中に乗ったネコの背中に乗った雄鶏のみた夢の中へ逃げこんだ。

忘れじの言の葉 安次嶺希和子 (SQUARE ENIX 『グリムノーツ』主題歌/2016)

恋の奴隷 奥村チヨ (1969)
 
by enzo_morinari | 2019-07-04 03:13 | グリムのロバの背中に乗って | Trackback | Comments(1)