人気ブログランキング |

カテゴリ:井上神軍上等兵、天皇を撃て( 2 )

ゆきゆきて、神軍/イノウエ神軍上等兵は宇宙の果てまで見通す双眼鏡で愚か者どもを監視する。

 
c0109850_15230620.jpg


ボンクラ校長のイシハラが朝礼台に立ち、愚にもつかぬ演説を始めた。ボンクラ校長のイシハラはPTA役員の生徒の母親であるヴァカ女と不義密通しているたわけ者である。

「来週は体育祭です。団体行動ができない者がいるのが心配ですが」

ボンクラ校長がそこまで言ったところで遮った。

「できないじゃねえよ! しねえんだよ!」

グラウンドは水を打ったように静まりかえった。私は足早に朝礼台に向かった。そして、朝礼台に駈けあがり、ボンクラ校長からマイクを奪いとって演説を始めた。

「団体行動をしないのはそれが思想信条に反するからだ。この学校は日本国憲法で保障された思想信条の自由を蹂躙するのか? 天賦人権、自由権を奪うのか?」

ボンクラ校長は鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。全身を震わせ、唇はわなないている。

「思想信条の自由は認められなくて、生徒の母親と婚外性交、オマンコするのは認められるのか?」

ボンクラ校長は顔面蒼白になった。そして、脇に居並ぶ先公どもの一団に目配せした。日体大出の強面の柔道部の顧問、鬼瓦ことオギワラとオギワラの腰巾着であるダボハゼダサヤマことタケヤマが朝礼台に猛然と向かってきた。二人とも鼻の穴が北島サブみたいにふくらんでいた。

私は朝礼台を駆けおり、朝礼台の前で鬼瓦とダボハゼダサヤマに対峙した。隠し持っていたOLFAの業務用の大型カッターを取りだし、2コマ刃を出した。マイクを近づけてカッターの音を拾った。グラウンドのあちこちから悲鳴があがった。「やめてー!」という叫び声も聞こえた。

「先に殺されたいのはどっちだ? 殺すのはてめえらだけじゃねえぞ。てめらのクソ女房とクソガキも八つ裂きにして王水で溶かして横浜港に捨ててやるからな。てめえらのヤサはとっくの昔に割れてるんだからよ」

鬼瓦とダボハゼダサヤマはひるみ、すごすごと引き下がった。

「イノウエ神軍上等兵! 鬼瓦とダボハゼダサヤマをやっちまえ!」

イノウエ神軍上等兵は「おりゃあ!」と雄たけびを上げ、鬼瓦とダボハゼダサヤマのところに血相を変えて向かった。逃げようとする鬼瓦とダボハゼダサヤマに俊足韋駄天のピー助がスライディング・タックルをかけて二人まとめて倒した。喧嘩のときに相手にスライディング・タックルをかけるやつはピー助のほかにはいない。聞いたこともない。

鬼瓦とダボハゼダサヤマは体育倉庫のマットで簀巻きにして、体育倉庫に監禁した。もちろん、鍵も閉めた。そのあとのことは知ったこっちゃない。


黒い戦争/War (What Is It Good For?) - Edwin Starr (1970)
 
by enzo_morinari | 2019-01-20 15:29 | 井上神軍上等兵、天皇を撃て | Trackback | Comments(0)

ゆきゆきて、神軍/イノウエ神軍上等兵、天皇を撃て

 
c0109850_14060016.jpg


1973年の秋だった。私とイノウエ神軍上等兵とピー助は中学3年生で、視えない天皇を狙撃しつづける日々を生きていた。

視えない天皇を狙撃する銃は視えない自由を狙撃する銃を改良したもので、照星はTibetan Blue Poppy色のブルー・サファイヤに換装してあった。照準はEagle Iron SightのModel 42に換装し、桁はずれの精度を有していた。

視えない天皇はイチカワ文房具店とフカダ金物店のあいだのゲーム・スペースを根城にしていた。そのゲーム・スペースには古いピンボール・マシンとキャラメル・ルーレットとBallyのスロット・マシンと射撃ゲームの荒野の用心棒が置いてあった。

その日は体育祭を控えてグラウンドで全学年全校生徒で団体行動の練習の日だった。

前へ進め。全体止まれ。前へならえ。

私はすべてを拒絶した。前へ進めのときには腕組みをして動かず、全体止まれのときには止まらずに進み、前へならえのときには列を外れた。

団体行動/集団行動がきらいだった。できないのではなくてしなかった。他者とおなじ行動をすることが腹立たしかった。幼稚園小学校のときからだ。教員どもは私が手ごわくしたたかな厄介者であることを熟知しているので、そのことでクレームをつけてくることはなかったが、中には事情を知らぬ新任の若造教員が文句を言うこともあった。その際は、憲法の思想信条の自由を盾に団体行動拒否の論を頑強に展開してぐうの音も出ないほどやっつけた。
 
by enzo_morinari | 2019-01-19 13:30 | 井上神軍上等兵、天皇を撃て | Trackback | Comments(0)