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カテゴリ:タンブルウィードの冒険( 1 )

タンブルウィードの冒険/ウィッチ・タンブルウィードとウィンドマンと旅人の樹の精霊とマダガスカル島と人間が歩いてきた道の数と風が運んだもの

 
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「歩いてマダガスカル島にたどり着くことは可能か? 骸骨がスカラシップを使わずにマダガスカル島にたどり着くためのスキルが知りたい」とウィンドマンは言った。

「おれは足がないから歩けない。風に吹かれることしかできない」とウィッチ・タンブルウィードは言った。

「風はわたしが起こしてあげよう」とギャビン・ライアル・ワトソンこと旅人の樹の精霊は言った。旅人の樹の精霊がからだを背後に反らし、前方に倒すと強い風が起こった。ウィッチ・タンブルウィードは風を受けて瞬時に高く舞い上がり、風に乗った。このようにして、マダガスカル島への旅は始まった。

ウインドマンは眉間に深いしわを寄せ、苦虫を噛みつぶしたような表情で風に乗って遠ざかるウィッチ・タンブルウィードを見送った。

「俺は人間が歩いてきた道を歩く。人間が歩かなかった道も歩く。そうすれば、いつか目的地にたどり着く。目的地はマダガスカル島だ。旅の目的? 旅のさなか、歩いているあいだに考えればいい。ついでに、人間が歩いてきた道の数も数えることにしよう。急ぐ旅でもない」

言い終えるとウインドマンは歩きだした。ウインドマンの歩いたあとには細くうねった道ができた。ゆっくりと遠ざかるウインドマンの背中に向かってささやくような声で旅人の樹の精霊は声をかける。

「いい旅を。激しい雨の中でタンバリンを打ち鳴らしながら転がる石のように天国の扉を探しつづけてきたウインドマン。大地のヘソがいつもともにありますように」


Attack of the Tumbleweed
 
by enzo_morinari | 2018-12-11 17:51 | タンブルウィードの冒険 | Trackback | Comments(0)