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カテゴリ:Animal Red Zone( 1 )

サイガは忘れた頃にやってくる

 
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サイガくんが初めてやってきたのは1964年12月25日の夕方だった。

「ハッピー・バースデー、樽犬くん」
「サンタのジジイはどうしたんだよ。赤っ鼻のトナカイじゃねえしよ。つまんねえの」
「ごめん」
「それに、なんだよその鼻は。赤っ鼻じゃなくて長っ鼻じゃねえかってのよ! 青っ洟たれてるし」
「災害です。サイガなだけに」
「際限なくつまんねえな。佐平次クラスのつまらなさだ」

私が言うとサイガくんは窓際の鉢植えの中から芽吹いたばかりのローズマリー・クルーニーとスミレ・ヒマワリ・フリージア・セイコを無表情に食べはじめた。同時にフレーゼ医師が往診にやってきた。そのすぐあとに、横須賀のさいか屋からサイガの樹のクリスマス・ツリーが届いた。

「おひさしぶりです。サガワです」

コント55号年ぶりに姿を現したサイガくんは飛脚の格好をしていた。フレーゼ医師の診察はまだつづいていた。100歳を超えているのにたいしたものだ。かくいう私は還暦を迎える。世界はまったくどうかしてる。どーんとはいかないが、なんでそーなるのかと思うきのうきょうあしたのまたの日だ。

サイガくんの再登場につづいて、次から次へとブツリュー・アニマルとワケワカ・アニマルたちがやってきた。

「おじゃまします。黒猫のヤマトです」
「おじゃまします。死猫のムサシです」
「おじゃまします。死蜂のムサシです」
「おじゃまします。虻蜂のトラズです」
「おじゃまします。貧蜂のヒロシです」
「おじゃまします。走猫のヒロシです」
「おじゃまします。箱猫のシュレディンガーです」
「おじゃまします。半透明猫のチェシャです」
「おじゃまします。夢風呂のトルコです」
「跳びます跳びます。カンガルーのちょいワルのジローラモです」
「あなたのしあわせを運びにきました。ペリカンのニッツーです」
「蝶のように舞い、働き蜂のように刺して働いて蟻酸噴きまくりのアリのマークのヒッコシーシャ・モハメド・アリーです」
「ランランカンカンドウブツエン♫ 焼肉好きの引っ越しのパンダやさかい」

ノラミ・ドラムを叩いたような奇妙な音がしたので窓をあけるとミラノの聖サイガのクリスマス歳末列聖サイガ・イルミネーションが見えた。

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by enzo_morinari | 2018-12-05 12:03 | Animal Red Zone | Trackback | Comments(0)