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失恋治療医 ── 母親の胎内にいるあいだずっとパンジーの夢を見ていた男

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死んだもの、失われたもの、壊れたものはブリコラージュによって再生する。C-L-S

ジカングスリが効かない恋の病もある。生きた数だけある。星の数ほどある。処方箋は虹の領分に属する。E-M-M


失恋治療の専門医ジョニー・ジャンプアップは母親の胎内にいるあいだずっとパンジーの夢を見ていたと言った。

パンジー。Pansy. 三色すみれ。遊蝶花。Viola x wittrockiana. 花言葉は「もの思い」「私を思って」「Think of me」「Memories」「Merriment」種子と根茎にビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイド等を含有し、摂取すると嘔吐、神経麻痺、心臓麻痺を惹起させる。

「重要なのはLa Pensée sauvage. 野生の思考だ。私の生まれた1962年にクロード・レヴィ=ストロースが発表した”La Pensée sauvage”はレヴィ=ストロースが母親の胎内にいる私と交信して着想をえたものだ」

ジョニー・ジャンプアップはそう言ってバカラのカクテル・グラスに注がれたバイオレット・フィズをひとくち飲み、淡いむらさき色のカルテのページをめくった。

「さて。私の一番古い友人の一人である君は私の一番新しい患者になったわけだが」
 
by enzo_morinari | 2018-10-17 11:42 | 失恋治療医 | Trackback | Comments(0)