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カテゴリ:スカラベ・スカラシップ( 1 )

ファーブル爺さんの友人にして親愛なる働き者のスカラベ・サクレがサクレ・クール寺院のバジリカ聖堂を脱出して殉教者の丘を転げ落ち、糞虫研究のスカラシップを入手するに至る顛末とラデュレの塔の秘密

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ラデュレの塔でLe Secret du Sacré Sucreの秘密と謎を解きあかそうとしたときからすべては味噌糞一緒くたになり、糞味噌に批判を浴びるようになった。その批判/非難は血の中傷/儀式殺人/聖体冒涜/Well Poisoningと同等あるいはそれ以上に苛烈だった。

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ラデュレの塔の秘密 Les Secrets de la Tour LADURÉE

この4色4個のラデュレのマカロン・パリジャンとラデュレ・ボーテでいかに「La Tour LADURÉE(ラデュレの塔)」を築いたかはスクレである。断然、スクレである。脅されてもすかされてもバックレる。ジャック・ガルシアとロクサーヌ・ロドリゲスの「倫ならぬ恋」が露見したとしても私はラデュレの塔の秘密を明かさない。ラデュレの塔にファントム・マンが傴僂男とともに潜んでいることも内緒の内緒である。彼らは魂の牢獄に幽閉されし者でもあって、私の要求に対して決してNOとは言わないが、ラデュレの塔のコンシエルジュとしての立場上、コキュ、コルネール、コルネットに甘い顔をみせることはないと心得なければならない。ラデュレの塔はコンシエルジュとコンシェルジュリーの永遠の闘争の場でもある。安易な気持ちで近づけば、諸兄を容赦のない懲罰が待ち受けている。

ラデュレの塔はもともとカラトラバ十字王でもあった藁すぼ王アントワーヌ・ド・パテック・フィリップ4世によって構想され、14世紀半ば、大甘王ジャンが陣頭指揮を執り完成した。ラデュレの塔の原型はバベルの塔にあるとも言われている。名著『イストワール・ドゥ・ピストリエ』の著者として知られるプリゾニエ・ドゥ・レ=マルクは晩年の日記『甘いもの喰いの甘々人生』の中で次のように述べている。

そもそも我々甘党一味がアントワーヌ・ド・パテック・フィリップ4世陛下に「ラデュレの塔」建設を御進言奉ったのはノストラダムス・ド・パリ居士によってもたらされる数多の凶事を封じ込めるためであった。遠い異国の島で紙と円陣によって都を魔軍と邪鬼悪鬼どもの禍々しき手から救ったアベック・ノン・セイメイなる奇人から呪法と変容の秘儀を授かったノストラダムス・ド・パリ居士はまことに恐るべき人物であった。げに恐ろしきノストラダムス・ド・パリ居士を封じたのはマカロン・パリジャンの礫が彼をして歯痛の虜となしたからであった。もし、ラデュレの塔なかりせばルテチアの都は見る影もなき惨状を呈していたであろう。まことにラデュレの塔はルテチアの民ばかりかラ・マルセイエーズの漁師、イル・ド・フランスの百姓農民をも邪悪なる魔の手から救ったのである。

私は元樽犬だが、今はガソリンと石油メジャーの利権のにおいのする貝殻にして呪われた紅豚でもある。

では、最後にひとつだけヒントを差し上げよう。ラデュレの塔はパリ1区、シテ島西側にある。いかがかな? ラデュレの塔を訪ね、ファントム・マンと傴僂男にスクレ・ラデュレの贈り物と引き換えに「ラデュレの塔の秘密」を知りたいとは思わないかね? かく言う私は元々は「撒き散らされた者」であり、ディセミナシオンである。散種犬である。サンシーブル・ドッグだったことすらある。ついこのあいだまでは樽犬であり、今はガソリンと石油メジャーの利権のにおいのする貝殻であるが、実際のところは呪われた紅豚である。

呪いだ。すべては「マラーノの呪い」からはじまったのだ。サルデーニャ海とトスカーナ海とアドリア海と空の青さがいくら私の心を洗っても、七里ケ浜駐車場レフト・サイドに吹きつける強い南風が私の心を吹きぬけても、マダム・ジーナが私のパンツをプロクター&ギャンブル・サンホームのありえないほどよく汚れがおちるアリエールV8を使って手洗いしてくれても、私はもはや犬にも人間にももどれない。犬将軍としてクリストファー・ウォー犬の群れを従える笑う戦争の犬になる夢は潰えてしまった。

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「経験」と「認識」をめぐる諸原則。アーモンドの香りは死の香り。

これらの諸経験によって私はすべての実在を疑うようになった。

私は正のベクトルを持つ実体を憎む。あらゆる認識は誤った認識であるとさえ思う。であるからこそ、私は存在と不在と非在の境界で舞踏する。死の舞踏だ。一瞬たりともやむことのないステップ。ダンス・ダンス・ダンス。ひと足ごとに死がやってくる。クロノスの大鎌をかざしながら。しかし、カッコイイというのはそういうことだ。突然死マニアのドナスィヤン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドとザッハトルテ好きのレオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホの二人のSサイズMサイズ将軍が縄師と蝋燭師と鞭師と打擲師とラケット・スパンカーの一大旅団を引き連れて迫っている。あと三日もすれば漂泊浮沈のはずの都は徹底的に破壊され、蹂躙され、略奪の嵐が吹き荒れるだろう。もはやそれを止めることはできない。あの者の再臨までは。あの者 ── 魚のしるしを持つ者の再臨はいつのことになるのだ?

私はラデュレの塔の尖塔部分に手を伸ばし、セクレを吹きかけ、引きちぎり、埃を払ってからゆっくりと口に運んだ。甘くほのかなアーモンド臭がしたあと、扁桃腺のあたりが自分の意思とは無関係に収縮をはじめた。無慈悲なほどの収縮は喉全体に及び、ついには肺が動くことやめた。吸うことも吐くこともできない。そのようにして、待ち望んでいた甘く馨しき死がようやく私に訪れたのである。

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マカロン世界からの贈り物

マカロン機甲師団総司令官ダヴィド・オルドー、ロキソーヌ・ロドリゲズ(マカロン機甲師団総司令官ダヴィド・オルドーの愛人。天才建築家。頭痛持ち)、ローゼンタール・ピュグマリオーン(マカロン世界の頭脳。マカロン世界随一の智慧者。期待/忘却の神の化身)、コンメンタール・メッテルニーチェ・ザッハートルテ(マカロン世界随一の菓子職人にして政治家。宰相。通俗の権化)4人の連名で御大層な歳暮が届いた。

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歳暮の中身はラデュレのマカロン4242個。悪意に満ち満ちた甘く馨しい死の贈答だ。お返しに1指パッチン(65刹那)に42回ジャンプする特製のココノオビアルマジロの詰め合わせを送ってやった。さしもの彼らもいまごろはマカロン世界を右往左往して慌てふためいているにちがいない。なにしろ、跳躍するココノオビアルマジロこそはキャトル・ミューティレーションの犯人だからだ。

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1指パッチン(65刹那)に42回跳躍するココノオビアルマジロの好物はファリネ・ド・ブレとシュクレ・ド・スクレとプラリーヌ・ド・アマンディエール。すなわち、マカロン世界を「ガブガブいっちゃうよ」ということである。

マカロン世界を救えるのは呪われたピンク色のヒメアルマジロしかいないが、それはまた別の話だし、第一、呪われたピンク色のヒメアルマジロはクリスマスを控えてマカロン世界どころではない。この世界、そうそう甘くはないということである。マカロンなだけに。ひとつの部屋にはひとつの屋根なだけに。きのこの山の新製品情報をリークしちゃうだけに。電通通行止め×なだけに。

世界中の木っ端役人(オフィシエール・ド・ラ・ブーシェを除く)が一人残らず歯周病と齲蝕に罹って、さらには巡航ミサイル並みの精度で隕石が堕ちればいいのに。プラリネとジャンドゥーヤとヌテラの三つ巴血みどろチョコレートまみれの争いに巻きこまれて死ねばいいのに。墓場からよみがえったセザール・ド・ショワズール・ドゥ・プレシス=プラスラン元帥に煮えたぎったシュクレ・ド・スクレを頭からぶちまけられればいいのに。レオン・モンタルジ・マゼを狙ったクレマン・ラサーニュの扁桃弾の流れ弾が100万発くらい当たってしまえばいいのに。
 
by enzo_morinari | 2018-10-03 21:00 | スカラベ・スカラシップ | Trackback | Comments(0)