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カテゴリ:午前2時の世界が終わるとき( 1 )

呪う女/午前2時の世界が終わるとき

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この話は呪い/メタファーを「暗示」と考える愚か者どもへの最後通牒/最終解答であり、グリモワール/グリムワール/リーテ・ラトバリタ・ウルスアリアロス・バル・ネトリール/レヂアチオ・ルント・リッナ/シス・テアル・ロト・リーフェリン/バルスである。

おまえたちに身の毛もよだつ災厄が訪れるのはもうすぐだ。せいぜい、高をくくって残り少ない人生を惰眠と惰食と惰読と惰文と惰歩と惰行と惰情と惰交に費やすがいい。




午前2時。一人の自室でカサカサカサという音がした。ただならぬ気配を持った小さな物の怪の類いが部屋中を走りまわっているように感じられた。その乾いた擦過音は不規則な間断をともなって長くつづいた。すさまじい悪臭が部屋中に立ちこめた。このときから呪いの日々は始まった。

悪臭はイタリアのサルディニア島/コルシカ島原産の羊の乳から作った蛆虫チーズ、カース・マルツ/フォルマッジョ・マルチョ(腐ったチーズの意)のにおいだった。生きた蛆が入った腐ったチーズ。悪魔のチーズ/呪われたチーズと呼ぶ者もいる。サルディニア人の羊飼いに贈るなら最もよろこばれる贈り物とされるが大金を積まれても断る。それほどの悪臭である。

その女は私の知るかぎり、これまでに42人を呪い、そのうち、41人が実際に死んだ。死んだ41人は全員中学の同級生である。いずれも非業の死だった。死の態様はそれぞれだが、非業の死であることにかわりはない。生き残った1人こそが私だ。

呪い女は小学校の同級生だった。仮にメグミとしておく。中学でも同級生になった。2年のときのクラス替えでも一緒だった。小学校3年から小学校6年までの4年間、そして中学の3年間。合計7年間、メグミとは同じクラスだった。メグミはいつもぶつぶつとなにごとかをつぶやいていた。そのつぶやきが呪言であると知るのはずっとあとになってからだった。

メグミはガミ術/コンレイ術という妖術/物の怪の術の類いを操る。

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by enzo_morinari | 2018-09-23 05:10 | 午前2時の世界が終わるとき | Trackback | Comments(0)