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カテゴリ:Wノイズ、Bノイズ( 1 )

ホワイト・ノイズ@ブラック・アウト#1

 
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J.S.バッハの『マチュウ・パッション』をフーリエ変換しつつ聴きながら「死の必然」の仕組みを完璧に理解することが第一主題部だ。通奏低音はピンク・ノイズ、倍音はホワイト・ノイズ、そして、変奏はブラック・アウト。


2012年の夏の終り。東新橋・電通本社ビル屋上。その日、夏の空は意外にも青く強く澄んでいた。

浜離宮庭園と東京湾の海と夏の青く強く澄んだ空を順番に眺める。金属的な熱を額のあたりに感じて空を見上げるとボーイング 787-8 ドリームライナーが飛翔していた。巨大な熱源だ。

カーボン・ファイバーでできたワイドボディーの美しい機体にしばしみとれたあと、熱源について考えてみる。真剣にだ。暇つぶしでも退屈しのぎでもなく真剣に。ある意味では命がけで。ボーイング 787-8 ドリームライナーの中の乗員と乗客は命がけで高度10000メートル上空を移動しているのだから、それが礼儀というものだ。

「音速」と口に出してみた。「スーパー・ソニック」とも。少しだけくちびるが気持ちよかった。

音速。1225km/h。秒速340.277778メートル。ベリリウム換算縦波12890m/s。それらの冷厳冷徹なリアリティにわずかな妄想を加えることで予想もしなかった眩惑の領域に足を踏み入れることができる。たとえばこんなふうに。

ホワイト・ノイズとブラック・アウトが交錯し鬩ぎあうアルファ・ポイントを目指してまっしぐらに疾走すること。
揺りかごを揺らすうす紫色の手に握られた白と黒のナイフでみずからの頸動脈を平然と一直線に切り裂いた女との再会を夢想すること。


耳を澄ますと明日には幾千億の死にざまをさらす蝉どもが息もできぬほどに鳴き盛っていた。
 
by enzo_morinari | 2013-02-24 04:16 | Wノイズ、Bノイズ | Trackback | Comments(0)