ゆるす? ゆるすわけがない。憎しみと怒りはずっとつづく。ポリフォニーでつづく。 Radio Boy
春の夕暮れ。東京。千代田区内幸町。DEBCO本店前。
ラジオ少年は指揮棒に見立てたGroundWorkの2.25 lb. Axe, Hickory Handleを手のひらにゆっくりと3度叩きつけた。
「ゆるす? ゆるすわけがない。憎しみと怒りはずっとつづく。ポリフォニーでつづく。これが厳格対位法の答えのひとつ目だ!」
ラジオ少年は叫ぶと壊れかけのTelefunkenのラジオからJ.S. バッハの『ゴルトベルク変奏曲の主題に基づく14のカノン BWV 1087』が鳴り響くブラック・メタリックの1991年型チェイサー 2.5L AVANTE LORDLYから躍り出た。
德永英明 - 壊れかけのRadio (JUSTICE/1990)