À la recherche du pain, temps et Blanc Balançoire perdu.Et vous, quelle est votre Madeleine de Proust?記憶はブリコラージュの集積である。記憶は不断の書き換えでできあがっている。書き換え、上書きし、脚色粉飾し、隠蔽し、忘却し、最終的には原型をとどめない。思い出せない。どうしても思い出せない。47年前。中学3年の冬休みに志賀高原スキー場で行われたスキー教室のときのタツゾー先生のスキー板が。メーカーも色も。
ElanだったかOlinだったかFischerだったかKästleだったかAtomicだったかHeadだったかBlizzardだったかK2だったかKneisslだったかNordicaだったかOGASAKAだったかKAZAMAだったか。
あんに野沢菜漬けの入ったおやきをひと口食べると遠い47年前の記憶がありありとよみがえった。
答えは青いYAMAHA。タツゾー先生に確認したら正解だった。音楽教師であるタツゾー先生がYAMAHAのスキー板をチョイスしたのにはなにがしかの整合性があるが、問題は色だ。その答えはDanièle “Élan” Vidalだけが知っている。
パリ1区カンボン通り21番地のメゾン・オー・シャンゼリゼで天使のらくがき三昧の日々を生きるダニエル・ヴィダルを小一時間問いつめてみよう。白いブランコを漕いでブロンドをなびかせていたカトリーヌが北の国の強い王子とペルシャの馬に乗って砂漠を越えることができたのかについても。
Catherine/カトリーヌ - Danièle “Élan” Vidal/ダニエル・ヴィダル (1970)