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ララバイと時代と世情とシュプレヒコール/今日は斃れた旅人たちも生まれ変わって歩きだす。

 
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夏が草いきれの中を麦藁の色して駆けてくる
夏が水玉模様のあの頃の思い出を染めている
風コーラス団

時の流れを止めて「変わらない夢」をみたがる者たちと戦うために東京シャドウズは誕生した。「変わらない夢」を流れの中に求めて。影は臆病な猫のように光に怯えているし、光がなければ存在しないが、いつもというわけではない。影が一斉にシュプレヒコールを上げ、蜂起するとき、世界は一瞬にしてその様相を変える。これを「革命」と呼ぶ。


1976年。臆病な猫がつく包帯のような他愛ない嘘がまかり通っていた時代。価値観、世界観はともかく、シュプレヒコールがなにがしかのリアリティを持ち、身近にある時代だった。

高校の修学旅行のバスの中。『アザミ嬢のララバイ』を歌った学級委員長である歯医者の娘からマイクとスーパースターになることは夢のまた夢であるモーリスのチューニングの狂ったフォーク・ギターがまわってきた。

狂ったチューニングをなおし、「ガラにもないが」と前置きしてから中島みゆきの『時代』を歌った。


そんな時代もあったねといつか話せる日が来るわ。
あんな時代もあったねときっと笑って話せるわ。
まわるまわるよ。時代はまわる。喜び悲しみ繰り返し。
今日は別れた恋人たちも生まれ変わって愛しあうよ。

たとえ今日は果てしもなく冷たい雨が降っていても。
めぐるめぐるよ。時代はめぐる。別れと出会いを繰り返し。

まわるまわるよ。時代はまわる。別れと出会いを繰り返し。
今日は倒れた旅人たちも生まれ変わって歩きだすよ。



2年後、まさか自分が短期間とはいえシュプレヒコールの渦の中にいるとは思ってもみなかったし、中島みゆきの『世情』の入った『愛していると云ってくれ』をすり切れるほど聴くようになるとは思ってもいなかったが、そうなった。そして、さらに2年後、3年B組金八先生の『腐ったミカンの方程式』で立てこもる加藤を突入した警察が捕まえるシーンで『世情』がかかるとは予想だにしなかった。

時代はめぐり、まわり、世情はかわり、シュプレヒコールを耳にすることはなくなったが、いくつかのララバイはいまも聴こえる。

ララバイが斃れた旅人を勇気づけないこともない。夏が草いきれの中を麦藁の色をして駆けめぐり、水玉模様の思い出を染める ──。
 
by enzo_morinari | 2019-11-22 21:28 | 時代と世情とシュプレヒコール | Trackback | Comments(0)
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