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プシシェの森/カプサイカム・アヌーム・グロスム香るプシシェの森で私の夢が異世界のマモノたちに侵蝕されていく ── 時間とベケットとラマヌジャンとメタモルフォーシスをめぐって。

 
プシシェの森/カプサイカム・アヌーム・グロスム香るプシシェの森で私の夢が異世界のマモノたちに侵蝕されていく ── 時間とベケットとラマヌジャンとメタモルフォーシスをめぐって。_c0109850_16002768.jpg
プシシェの森/カプサイカム・アヌーム・グロスム香るプシシェの森で私の夢が異世界のマモノたちに侵蝕されていく ── 時間とベケットとラマヌジャンとメタモルフォーシスをめぐって。_c0109850_12360348.jpg

あえなくついえるユートピア・リバティ
華麗にスルーされるパロール・パロディ
空転するハピネス 空想するフリダム
暗転するライフ 妄想するドリカム
Freedom Seeker

アインシュタインもシュレディンガーも谷山豊もタイヒミュラーも望月新一もマモノである。

世界に必要なのは解説/解釈/分析/批評/説明ではなく、リアルな力である。

意味を問うな。世界はなにひとつ意味など孕んでいない。世界宇宙森羅万象には意味も価値もない。

さあ 異臭を放ち来る キミの影を喰い
恐怖のパレードが来る キミの名の下に
さあ 地を埋めつくすほど キミの影が産む
狂気のパレードが来る キミの名の下に
Singon Seeker


間の山/遊牧民の山/Mt. Nomadの裾野にサイコパス・サイコキネシスに広がるプシシェの森の静謐静寂を破るように三菱ミラージュ初号機の1978年式5ドアハッチバック 1600GT(前期型)が爆走してきた。蟻の門渡り通り/Perineum Streetをやってくるのはブリブリっちゃんだ。ブリブリっちゃんは有磯海(現富山湾)の伝説の寒鰤、カンブリ・トンブリ・クリブリ・コンブリの末裔である。

魔の山の急峻でゴツゴツしていて頻繁にマモノどもが妨害してくる胡乱な魔物道(蟻の門渡り通り/Perineum Street)を登っているあいだ、われわれは合言葉の BATONGA! TOPANGA! 私は私のやりたいことをやる!を大きな声で42回叫んだ。魔の山のマモノたちはそのたびに疳高く耳ざわりな悲鳴をあげて逃げだした。マモノたちが元いた場所には栗の花とイカの燻製を混ぜたような嫌な臭いが立ちこめていた。


遠くに巨大な岩山が見える。一枚岩。ひとつの岩の塊。標高1420m。外周21.42km。16億5千万年前、先カンブリア時代の中期に誕生した。

剥き出しの岩肌に薄いオレンジ色の夕陽が照りかえっている。魔の山は花崗岩でできあがっている。カタジュタ、ウルルとおなじだ。樹木はただの1本もない。わずかに群生するヘリトリゴケのほかには草木1本生えていない。禿げ山だ。住人たちはこの岩山を「魔の山」あるいは「魔物の棲む岩」と呼んでおそれている。

夜中、耳を澄ますと魔の山から絹布をゆっくり引き裂くような音が聞こえてくる。岩山の頂上で魔物が笛を吹いているのだ。満月の夜、その笛の音に魅入られた住人の何人かが岩山を登り、行方をくらます。市長の号令で捜索隊が組織され、徹底的な捜索が行われたこともあるが蜘蛛の子一匹見つかっていない。

岩山に生き物はいない。いるのは魔物だけ。あるのは風の音だけ。風のないときは容赦のない静寂が支配する。行方をくらました者はすべて魔物に喰われたのだという者もいれば、大陸のギャング団にさらわれたのだという者もいる。真実は誰にもわからない。

都市の中心に聳える峻烈巨大な岩山はいったいなにを象徴しているのか。災いがあるからという理由で誰もこの岩山に手を出さない。岩山を切り崩し、土地をならせば広大な「投資対象として極めて魅力的なエリア」ができあがる。過去に何度か大手のデベロッパーが開発を試みたがことごとく失敗に終わった。

担当者の不審死。開発業者の倒産。悲運は家族にまで及んだ。現在までのところ、魔の山は手つかずのままである。国内のみならず、外国資本の開発業者が入れ替わり立ち替わり買収交渉したが岩山の所有者は決して買収に応じなかった。カネのにおいを嗅ぎつけた多くの政治家が硬軟取り混ぜたやり口で交渉の進展を図ったが無駄骨に終わった。闇の組織、裏社会の大物たちが束でかかっても魔の山の所有者は首を縦にふらないどころか会うことすらしなかった。岩山の所有者が崩壊する時間男、ルーイン・マンこと冬眠を忘れた熊だった。

ガジンと並んで大きなラピスラズリに腰かけ、きわめて加算的付加的なインド音楽のリズムでサミュエル・ベケットを待っているあいだ、時間は普段よりずっと間延びし、のっぺりとした貌をみせつづけた。

ブリキでできたガラス職人/タマネギ剥き名人のギュンター・グラスと「ベッケンバウアータヒネ」と呪文のようにつぶやくネッシー・ハンターと戦う軍団団長のギュンター・ネッツァーがわれわれに影のように寄り添っていた。

ブリキ製ガラス職人/玉葱剥き名人のギュンター・グラスは悲鳴のような雄叫びで地涌菩薩都市のガラスというガラスを木っ端微塵に破砕し、ブリキの太鼓を叩いてマドホウセ湖の巨大うなぎどもを眩惑した。42屋主人風情を漂わすギュンター・ネッツァーはプーマの42センチの特注ビッグ・サイズのサッカー・シューズと自分の顔をならべて「どっちがデカい? どっちがデカダンス? デカメロン好き? ロートレアモン好き?」と言った。さらには、「プーマは賢人であるわたしにもカンガルー1枚革/踵4本スタッドのキング・ペレとおなじようにオーストリッチ1枚革/踵5本スタッドでカイザー・ネッツァーを作っていただきたいものだ」とも言った。全身アディダスまみれの掃除屋フランツ・ベッケンバウアーが脱臼のために包帯で固定している右腕でカウンター式斧爆弾を炸裂させたのは言うまでもない。リベリーノは自慢のサネブラシを撫でながらビバノンノン杉の陰で卓越した左足をトリッキーに振動させ、わずかにできた世界の空隙に狙いを定めてただ微笑んでいる。狙撃手の眼だ。もう一人の左足の魔術師ウォルフガング・オベラーツはスパイク・シューズのベラをこれみよがしに長くして折り曲げ、ストッキングを足首までずり下ろす荒技に出ていた。ゲルト"爆撃機" ミュラーは視えないゴール前で髪をふり乱し、動物的勘に依拠した振りむきざまを意味もなく繰り返している。ネプチューンを崇拝するあまりプロテウスの怒りを買って象男にされたジョゼフ・メリックは窒息寸前、演芸ホールのザ・リビングに果敢にダイビング・ヘッドを試みた。歴戦の強者である鉄人ブライトナーは類人猿鉄人のサチ・キヌガーサと乳繰りあっている。なんて、鯉する惑星の Be a driver な光景。赤ヘルってくれ。

そのような1970年 FIFA World Cup メキシコ大会的な状況下、私とガジンの前をジョージ・ハリスン御用達のラヴィ・シャンカール色のタクシーがひっきりになしに通りすぎた。ガジンは私が制するのも聞かずにジョージ・ハリスン御用達のラヴィ・シャンカール色のタクシーのナンバーからシタールの付帯したラマヌジャン・タクシー数1729を91個みつけた。

「悪魔が来ちゃうじゃないか」と私はガジンに言った。
「あんたが悪魔だろう?」
「なんだ。知ってたのか」
「そりゃね。知らなきゃ、伊達や酔狂で酷寒のミル・プラトーの頂上で2年もデジタル・べジタリアンとしてデジタル・デバイド・バイトの日々を引き受けたりしない」

そのうち、「間の山」のほうから『浜辺のアインシュタイン』と『屋根の上の1000台の飛行機』と『水素のジュークボックス』と『めぐりあう時間たち』と『メタモルフォーシス』が聴こえてきた。

「もう一日待とう。明日、ベケットがこなければ首を吊ろう」

私が言ってもガジンはもはや私の言葉を理解できない怪物に変身していた。フィリップ・グラスの『メタモルフォーシス』の作品5が終わると同時にガジンは蒼穹に向かって急上昇し、小さな点になり、消えてしまった。「明日、ベケットがこなければ首を吊ろう」と思った。

「いやなことばかりじゃない」とギュンター・ネッツァーが声をかけてきた。その大きな口からはベルティ・フォクツが顔をのぞかせ、「ボルシアMGからコンニチハ」と出歯亀づらでほざいたのには腰が抜けるほどラマヌジャンだった。ベルティ・フォクツの出歯亀づらはジャイアント馬場の16文キック、メルシボク魔法を使って世界を煙に巻いて誑かすツソボ天井桟敷を根城とする車椅子性悪阿漕魔女ババア(62歳と42日)の知性教養ゼロ/センス絶無の故障した日本国語による醜悪にしておぞましい感謝を装った空々しく不実な言葉/寝言/戯言/妄言/虚言、木っ端役人/カスミガセキシロアリの謝罪反省の言葉と国会答弁、寝取り屋ユコー・アソドーが匕デキ力ソゲキ・オデキマソサイの突然死のときにこれみよがしにみせた涙くらい嘘くさかった。ついでにお口もクサかった。クサーマ・ヤヨーイの反ねじ式反縄文式怒気ゲジーツ作品くらいクサかった。水玉/ドットで喰いやぶれるほど世界はヤワではないし、甘っちょろくできあがっていない。


パレード 今敏監督『パプリカ』主題歌 (白虎野/2006)

Philip Glass: Metamorphosis
 
by enzo_morinari | 2019-07-01 16:04 | プシシェの森 | Trackback | Comments(0)
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