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七里ガ浜の西の端、だんごっ鼻のような岬、小動岬の畳石のど真ん中で19歳のションベン臭い小娘を死なせた腰抜け腑抜け道化野郎の太宰治に喝を入れ、小動岬の東側の小さな浜で『王権神授説』を諳んじながらビバーク

 
七里ガ浜の西の端、だんごっ鼻のような岬、小動岬の畳石のど真ん中で19歳のションベン臭い小娘を死なせた腰抜け腑抜け道化野郎の太宰治に喝を入れ、小動岬の東側の小さな浜で『王権神授説』を諳んじながらビバーク_c0109850_12264096.jpg

七里ガ浜駐車場レフト・サイドで2000トンの雨に打たれるまであと86日と4時間42分


第2京浜をゆく。多摩川を越え、川崎を過ぎ、ルート16に乗り換え、ひたすら漕ぐ。 横浜のサウス・エリアをかすめ、横須賀へ。そして、三浦半島へ。三崎港では地魚に舌鼓を打つ。三浦半島のビーチ・サイドをトレースし、葉山、逗子の海岸線を左手に見ながら、海の輝きと潮の匂いに身をまかせる。極上のオフショア・タイムが、ただ過ぎてゆく。

オーケイ。すべては順調だ。もうすぐ夏に追いつける。あとひと漕ぎ。いや、ふた漕ぎ。トンネルの手前、勾配がややきつくなるところでフロント・ギアはアウターからインナーへ。トンネルに入ったら再びフロント・ギアはアウターへ。ジェット・コースター気分で駆けぬける。前方に光が溢れはじめたら、さらに加速する。

トンネルを抜け、S字カーブをクリアすれば、そこは鎌倉、材木座海岸だ。右に連なるレスト・ハウス。遠くで揺れる江ノ島の島影。胸の鼓動はさらに高まる。潮の香りが強くなる。

滑川の三叉路から由比ヶ浜のゆるやかな左カーヴにさしかかればさらに精神は疾走する。稲村ヶ崎をすぎるときには古えの益荒男どもに思いを馳せ、伝説の水曜日の大波にウィンクだ。「僕らの夏」の出発地、七里ガ浜駐車場レフト・サイドで風に吹かれる前に向かいのセブンーイレブンでよく冷えたビールを調達する。プル・リングを引き上げ、湘南の海に1年ぶりの挨拶をする。

「やあ。ひさしぶり」

波しぶきに煙る小動岬。小動岬の絶壁の下にある畳岩に立ち、19歳のションベン臭い小娘を死なせた腰抜け腑抜け道化野郎の太宰治こと津島修治に喝! 帰りには再び小動岬に戻り、小動岬の小さな浜で『王権神授説』を諳んじながらビバークする。

やがて、腰越のキュートな入江が見えてくる。iPodのヴォリュームを少しだけ上げる。出発のときからずっとリピートで聴いていた山下”ニュウドウカジカ Ver. OIWASAN”達郎の『2000トンの雨』。1985年夏のテーマ・ソングだ。

山下”Go Ahead! Gimme a Break! Mikaeri OIWASAN FACE”達郎の顔面状況はどうしようもないけれども、いっさいの救済案を台無しにしてしまうけれども、僕らの1985年夏の日々に「2000トンの雨」を降らせたという一点において、彼は1985年夏の日々に一筋の光を垣間見せた。

人生は緩慢で気色悪く、頻繁に脱輪し、あちこちに落とし穴が息をひそめていて、おまけに報酬はたかがしれている。それでも、そうであっても、いつか2000トンの雨が降ればすべてを洗い流す。かくして、2019年の僕らの夏、湘南のすてきな一日が始まる。

七里ガ浜の西の端、だんごっ鼻のような岬、小動岬の畳石のど真ん中で19歳のションベン臭い小娘を死なせた腰抜け腑抜け道化野郎の太宰治に喝を入れ、小動岬の東側の小さな浜で『王権神授説』を諳んじながらビバーク_c0109850_21194944.jpg



2000トンの雨 山下”ニュウドウカジカ Ver. OIWASAN”達郎 (Go Ahead/1978)
 
by enzo_morinari | 2019-05-07 12:24 | 夏への階梯 | Trackback | Comments(0)
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