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サヨナラをする、その前に/なつかしい思いがこみあげて 思いがけずおしゃべりをしたけれど

 
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また見ることもない山が遠ざかる Sun Toe Carr

花に嵐のたとえもあるぞ サヨナラだけが人生だ Sun Show Uwo Meister

今でもべつにお前のことを怒ってはいないんだ。Frog Toad Farewell Bug Bag

この世界のどこかで生きているはずの者との再会も果たせず、また会うことも集うこともなくお互いの人生が終わってゆくのだという冷厳にして冷徹な現実を前にして心は張り裂けそうになる ── 。意志の中心が空虚なメタルのドーナツ小僧

いくつかの季節が過ぎていき いく人かの友だちが過ぎていき そのことがまぎれもなくひとつの時代だったのさ Accue You


午睡後、五衰が起こり、天召/下獄/天昇のようすがありありとみえたので、急ぎ机に向かい、筆をとった。

永の別れを告げ、永訣のうたを歌い、暇乞いをし、サヨナラをする、その前に、個人的メッセージをいく人かに書きはじめた。書いているうちに過ぎ去ったいくつもの季節がありありとよみがえり、筆がすすまなくなった。高校2年の夏の初めに知ったGAROの『個人的メッセージ』を繰り返し繰り返し聴いた。思いはさらにあふれた。

この世界のどこかで生きているはずの者との再会も果たせず、また会うことも集うこともなくお互いの人生が終わってゆくのだという冷厳にして冷徹な現実を前にして心は張り裂けそうになる ── 。このような心の状態をかなしい/哀しみというのか? もしそうなら、私のかわりにだれか泣いてくれ。かなしいときは泣くものというのが相場らしいから。あいにくと、太古の昔に涙は枯れ果てたし、いまでは強固な無涙症に罹患しているから、どこをどうさがしても涙のひと粒もみつからない。心はとうに石ころに変わり果てていて、手のひらの上にのせていくら揺らしても、カラコロカラコロいうだけだ。

思いはあふれたけれども、その一方で、ECHIRÉの無塩バターを練りこんだクロワッサンの朝食やらみんなが作っている車麩カツやらポットラック・パーティーやらを喰らい、歌舞伎能狂言落語の歌舞音曲にうつつを抜かし、安酒バカ酒を喰らって酔生夢死し、知識人/有識者を気取って鼻高々のたぐいがのうのうと生き延びることを思い、思いは憤怒と憎悪にかわった。さらにまたその一方で、憎悪し、憤怒した者たちも含めて”自分の物語”は紡がれたのだとも。彼らがいなければ”自分の物語”を紡ぐことはできなかったのだとも。

死は生と一対のもの、生の延長線上のどこにでもあるありふれた出来事であるし、断じて敗北ではないが、まだ死ねない。まだ死ぬわけにはいかない。死んでなるかと思い、五衰の徴に隻手音声をかましてから糞掻きべら一閃、銀河系宇宙の彼方までかっ飛ばしてやった。五衰めは酸漿を力のかぎり踏みつぶしたような悲鳴をあげて霧消した。


個人的メッセージ GARO (吟遊詩人/1975)
 
by enzo_morinari | 2019-04-14 19:12 | さよならをする、その前に | Trackback | Comments(2)
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Commented by ago1-filo2 at 2019-04-14 19:53
病院に行ってくださいね。心配です。
Commented by enzo_morinari at 2019-04-15 00:17
お嬢さん、死ぬには早すぎるとマーロウの野郎に言われたばかりですよ。

やり残したこと/考え残したこと/食べ残したこと/食べそびれたもの/飲みそびれた般若湯/聴きそびれたメロディ/みそびれた映画/訪ねそびれた街/未帰還のままの帰りたい街と帰れない街…。Métier de dépression/Technique de dépressionは未完のままだしね。そして、なによりも、愛しそびれた愛しい女。やることはまだまだある。来年には極上のミント・コンディションのCh Mouton Rothschild 1958が手に入るしするし、天井なし金利なし催促なし借用書なしでけっこうな金襴緞子がゼニカネのなる樹を持っている山城国の山林王の爺さんから放りこまれる気配濃厚だし。
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