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夜明けの口笛吹きの狂気は変性意識状態に陥ったアトミック・ハートを持つ母の胎内に回収され、ロストロポーヴィチの永すぎた春は終わりを告げる。

 
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夜明けの口笛吹きの狂気はいつ変性意識状態に陥ったアトミック・ハートを持つ母の胎内に回収されるのか?


世界の天井の朝、1日の始まり
Pink Floydをじっくりと聴く。高校1年の春に聴いて以来。夜ふけに聴きはじめ、最後に12回目の『The Great Gig in The Sky』を聴きおえ、コンピュータをシャットダウンしたのが午前5時12分。夜明けは遠かった。

8時すぎ、空が白みはじめた頃、ベランダに出て口笛を吹いた。夜明けの口笛吹きだ。口笛を吹き終えて耳を澄ます。鳥のさえずりなど聴こえない。聴きたくもない。眠らぬ者には無用だ。

高校1年生の春休みのときの狂気と2018年の真冬の夜明けの狂気。そのあいだに私の狂気はその質と量と深さを大きく変えた。大変貌した。いまは世界に立ち現われているあらゆる現象/事象/事態が腹立たしく、苛立たしく、憎々しい。憤怒と苛立ちと憎悪。世界はいますぐ崩壊し、跡形もなく消えてしまえばいい。

熱いカフェ・オ・レをいれ、シュクレをしこたまぶちこんでガブガブ飲む。2杯。ときに3杯。マフラーをきつく締め、35年もののダッフルコートを着こみ、ポルコロッソを伴って朝の見まわりに出る。

リュ・カンボンを渡る。そして、オテル・リッツの裏口からヴァンドーム広場へ抜ける。これが私の世界の天井における朝、一日の始まりだ。

世界の天井の下の私のストューディオがあるメゾンの入口の天井と葡萄酒色の扉とどんよりしょんぼりの巴里の空の下、リヴェ・ドゥ・ラ・セーヌ・ア・パリは本日もバトー・ムーシュやら洗濯船やらいんげん豆船やらが「実存、実存」とけたたましく汽笛霧笛を鳴らしまくりながら行き来するのを文句ひとつ言わずに流れつづけるのだが、それが実は夢だということはないのであるか? 夢のまた夢だということは。

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朝はJ.S. バッハ『無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュードとサラバンド』を繰り返し聴く。演奏はムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ。ジャンルも時代も楽器も問わずに好きな演奏家の一人だ。ベルリンの壁崩壊のときに彼がベルリンの暗鬱で鈍色をした空の下、壁の前でただ一人チェロを弾く姿を生涯忘れぬ。

威厳と慈愛と孤高。
類まれなる単独者。


激しく心をふるわさずにはおかない光景だった。パブロ・カザルスとどちらを取るかと言われると困るが、ミッシャ・マイスキー、ヨー・ヨーマが相手なら、一も二もなく、ロストロポーヴィチを取る。格がちがう。志がちがう。ロストロポーヴィチの前では、ミッシャ・マイスキー、ヨー・ヨーマなど、まだ青二才の洟たれの小僧っこにすぎない。

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圧倒的な技巧。奥深く秘められた熱情と反骨。ほのかに香り立つ気品と風格。揺るぐことのない技量と豊かな音量に裏打ちれたスケールの大きな表現性。なにもかもが圧倒的だった。

ロストロポーヴィチのチェロを聴いていると母親に抱かれているような心ふるえる錯覚にしばしば陥った。原始の母の腕懐の中で眠る至福。そのまま死んでしまいたいとさえ思う。しかし、セロ弾きのスラヴァの暢気眼鏡の奥で光る眼にはひとかけらの笑いもない。その眼には深く重い悲しみが宿っている。

いったいいつになったらセロ弾きのスラヴァは心の底から笑い、ロストロポーヴィチの永すぎた春は終わりを告げるのか? そして、夜明けの口笛吹きの狂気はいつ変性意識状態に陥ったアトミック ハートを持つ母の胎内に回収され、癒されるのか? ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチの暢気眼鏡の奥で光るものの意味が解明されることはあるのか?

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夜明けの口笛吹きの狂気はいつ変性意識状態に陥ったアトミック ハートを持つ母の胎内に回収され癒されるのか、ロストロポーヴィチの永すぎた春はいつ終わりを告げるのかを考えながら、チンピラ音楽に血道をあげ、諸手を挙げて賞賛するポンコツボンクラヘッポコスカタン木偶の坊どもを小馬鹿にし、蔑み、あざ笑う。ライブ中に過呼吸だか心臓バクバクだか不整脈だかでぶったおれて帰ったキノコ頭4人組カブトムシ楽隊の生き残り、愚鈍陋劣なニッポン人をだまくらかして小遣い稼ぎに年中やってきやがるオワコンDirty Macことポールガ・マッカニムケタニーのポンコツ・ライブに5万も10万もカネを払う能天気極楽とんぼどもについてはさて置く。

QUEENとやらいうチンピラ音楽隊の隠された真実と称する映画『Bohemian Rhapsody』についてポンコツボンクラヘッポコスカタン木偶の坊どもが中身空っぽスッカスカ/うわっつら薄っぺらペラペラ/肌が粟立つような死んだ言葉/浮いた言葉でああでもないこうでもない滑った転んだとかまびすしい。いわく、QUEENサイコー、涙でる、鳥肌もん、終わりよければすべてよしetc, etc…。乱痴気不衛生きわまりない行為/性癖が元でくたばった野郎なんぞにはいっさい興味はない。

チンピラ音楽が滑った転んだなどどうでもいい。真実だろうが虚実だろうが欺瞞だろうが勝手にやってやがれということだ。

チンピラ音楽だろうがエーベックソだろうがAKBだろうがマットンヤ・ユミーンだろうがタツローこと真夏の炎天下のアスファルトに放置された牛レバの刺身/BLOBFISH/ニュウドウカジカ(ヤマシタタツローウオ)だろうがクワタだろうがクワガタだろうがキノコ頭4人組のカブトムシ楽隊だろうが転がる石詐欺集団だろうがバッハだろうがモーツァルトだろうがマーラだろうがラフマニノフだろうが虎造だろうがいいと思うなら聴けばいいし、好きなだけ銭カネをドブに捨ててライブでもコンサートでも行けばいい。しかし、横並びで絶賛賞賛の嵐は御免蒙りたいものだ。反吐が出る。おまえらはファシストか? 特にオワコン人生/年金暮らしのクソじじいクソばばあ/棺桶首までどっぷりのポンコツボンクラヘッポコスカタン木偶の坊どものチンピラ音楽談義には虫酸が走りまくる。吐く。ゲロゲーロゲロゲーロ・ジャバ・ザ・ハットときたもんだ。Ψ(`▽´)Ψウケケケケケ

チンピラ音楽には1mmの価値もないというのが悪ガキの頃からの揺るぎない立ち位置である。原則/自分で自分に課したルール/掟として不良/ツッパリ/与太者/ヤクザ以外の者どもとは肉体言語闘争/Street Fightはしなかったが、例外としてチンピラ音楽かぶれ/チンピラ音楽隊の猿真似をして髪の毛を長くしている野郎は徹底的にのした。いつもバリカンを持ち歩いていて、長髪野郎をとっつかまえては丸刈りにした。その数、42人。それくらいチンピラ音楽と長髪が嫌いだった。1969年夏のウッドストック(Woodstock Music and Art Festival)なんぞには集中的に隕石が堕ちればよかったのだと長いあいだ思いつづけた。

チンピラ音楽をやってる野郎は年端もいかない小僧小娘をだまくらかして金品を巻きあげるゼニゲバとこどものころから思っていた。巻きあげられた小僧小娘どもは長じても懲りずに巻きあげられるという構図。

ボヘミアン・ラプソディ? それってうめえのか? ラ・ボエームの明太子パスタはうまいぜ。サルティーニャ出身の海賊の子孫にして名ギャルソン、セバスティアン・ピラスは「こりゃ、☆2だ!」って感心してたぜ。1200円でクラム・チャウダーとガーリック・トーストとコーヒーがつくぜ。給食費もろくに払えなかった貧乏人の小倅にもC/Pはよかったぜ。

ヨーロッパの漂泊どころか、アメリカの放浪すらしたこともない輩にボヘミアン言われても鼻白み、ちゃんちゃらおかしくてヘソが茶を沸かす。おまえら、アンゴルモワ語しゃべれる? 聴きとれる? 書ける? 読める? Englandと狭い土地と釣針の関係わかる? サクソン人とザクセンとサクソフォーンの関係は? フランセは? おふらんす・きゃんきゃん踊れる? ボードレールの『Les Fleurs du Mal/悪の華』を原書で読んだことある? 翻訳では? イタリアーナは? Pizzaと肘をピザって10回言ってない? ナポリタンという名の日本の固有食種/サテンめしをパスタだと思ってない? エスパニョルは? バスクとカタルーニャについて100字以内で語れる? 散種(Dissémination)/ディアスポラ(Diaspora)/ガスコーニュ人/ロマ(ジタン)/プロヴァンス地方の問題考えたことある? おまえらがしたり顔でほざくRock ’n’ Rollとやらは散種/被差別/不遇/貧困が生んだんだってことわかってる? エスパーニャとポルトゥゲーザが仲悪いの知ってる? 仲が悪いのは海岸線をめぐるフラクタル/自己相似/マンデルブロ集合/ハウスドルフ次元/ミンコフスキー次元がカンケーしてるって知ってる? PaellaとNasi Gorengのちがいを20文字以内で言える? Pilafと炒飯と編集焼きめしババア(Édith Piaf)のちがいわかってる? ECHIRÉの無塩発酵バター練りこんだクロワッサンと編集作業とPilafの三題話/三段話わかる? ポルトゥゲーザは? ドイチェ・シュプラーヘは? ディモティキ/カサレヴーサ/デーモティケーは? ラティーナは? それより、肝心かなめのニポンゴ、ダイジョブデツカ?

ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチが逝って12度目の春がやってくる。

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Pink Floyd - The Great Gig in The Sky
Mstislav Leopol'dovich Rostropovich - J.S. Bach: 6 Cello Suites
 
by enzo_morinari | 2018-12-14 06:17 | 沈黙ノート | Trackback | Comments(0)
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