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トマス・アラン・ウェイツのTom Traubert's Bluesは聖歌である。『トマス・アラン・ウェイツの百年の孤独な夜』とはまた別の寒い冬の夜

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ヨレヨレヘロヘロで傷だらけだが、月のせいではない。T-A-W
Swagmanよ、Waltzing Matildaよ。一緒に放浪するやつはみつかったのか? E-M-M

心もからだも冷える寒い夜にはトマス・アラン・ウェイツの『Closing Time』と『Small Change』と『The Heart of Saturday Night』を繰り返し聴く。そして、強い酒を飲む。E-M-M

くたばる前にトマス・アラン・ウェイツと一緒にJockey Full of Bourbonを飲みたいが、Jockey Full of Bourbonはないし、いくら呼んでもトマス・アラン・ウェイツは来ない。


冬の夜、トマス・アラン・ウェイツの『Tom Traubert's Blues』をエンドレス・リピートで聴きながら、凍える指先に息を吹きかけながらタイピングしていたら、不意と塩味のダイヤモンドがぽろぽろこぼれてきた。その塩味のダイヤモンドのわけは、今、この瞬間、この指先の凍える冬の夜を迎えている多くの、そして名も知らぬ人々もまた、指先に息を吹きかけ、北風にふるえ、オーバーコートの襟を立て、空腹ひもじさに困憊しているのだという事実、人間だけでなくすべての生きとし生けるものが寒さにふるえ、白い息を吐いているのだということに思い至ったからだった。親和欲求のない私がそのような事態になることは容易には信じがたかったが、すべてはSwagmanとWaltzing Matildaのせいだろう。冬の夜には実に色々なことが起こる。

世界中のすべてのSwagmanと、困憊のただ中でふるえるものに、ひとかけらのぬくもりがもたらされればいい。家なき人々に一足の毛糸の靴下と手袋とマフラーがそっとプレゼントされればいい。今夜の月のように世界がやさしさを孕んでいればいい。

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Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen)/Thomas Alan Waits (1976)
 
by enzo_morinari | 2018-11-21 17:57 | 沈黙ノート | Trackback | Comments(0)
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