人気ブログランキング | 話題のタグを見る

バオバブの樹の上で

バオバブの樹の上で_c0109850_13074514.jpg

死体は学習し、死骸は復讐する。M-B
いまだ! いまこそぼくは喋るんだ! アンリ・ソルジュ


1990年の夏の終わり、バブル崩壊とバブルガム・ブラザーズの『Won't Be Long』の聴きすぎの影響でビタミンCとカルシウム不足となり、不足分を補うためにバオバブ樹上生活を始めた。30年近いバオバブ樹上生活をつづけてえた結論は「銭ゲバほぼイトイはなにごとにも手出し口出しするな。銭ゲバほぼイトイが手出し口出しすればすべてはヒドイありさまになる。サイババの件のケツは拭かれていない。レタス5個分の食物繊維はゼロである。この世界においしい生活などない。不思議は好き/嫌いの対象ではない。不思議は漢字文化圏における数の単位にすぎない。砂漠のバラより顔面ツイン・ケイブとしてイトイは自分の鼻周辺(激レア群馬革マル1点モノ)を大々的に売り出すがいい。なににつけてもイトイはヒドイ。イトイは人類の足手まといである」ということである。

バオバブ樹上生活初日の夜にアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの使いの少年が南方郵便紙ヒコーキに乗ってやってきた。少年は自分が星の王になる者だと言って薄っぺらい胸を大仰に張った。肺活量は多く見積もっても420ccほどだった。プロトンについて行くことすらできなさそうだった。マドレーヌ峠越え/ラルプ・デュエズ越えは夢のまた夢。小癪でひ弱で脆弱な蚊とんぼ小僧めと思った。

自分が星の王になる者だと言って薄っぺらい胸を大仰に張った小癪な小僧はずっと昔、私が世界や人間にいくぶんかの信頼を寄せていた頃にアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリに貸していたカルティエのサントス・デュモン Forceps Modelを返しにきたのだが、サントス・デュモン Forceps Modelは時を経て見るも無残な、首吊り自殺したような完全脱力状態になっていた。餓死後3週間経過して発見された呪われたアルマジロの死骸よりひどかった。死体は饒舌だが、死骸は復讐する。大脳辺縁系ならびに大脳新皮質をフル稼働させて損害賠償請求訴訟の訴状の暗誦起案をはじめた。とりあえずは国際郵便で内容証明を送付しておかなければならない。

バオバブの樹の上で_c0109850_20370057.jpg

憂さ晴らしに、常日頃、知的所有権がらみで小うるさいことを抜かしている神奈川県箱根町の星の王子さまミュージアムに向けて大陸間弾道弾型バオバブ・バンカーバスターツァーリボムを撃ちこんでやった。1分42秒後、遠くで泡の弾けるような音がした。遠い太鼓の音もした。海とつがった太陽が達するときの悲しげでせつない喘ぎ声も聞こえた。少しだけ気分がよくなった。

その間に、小僧は勝手に冷蔵庫をあけて翌朝に食べようと思っていたバオバブ・サラダの残りを食べていた。食べ終わったらぶん殴ってやると南十字星と馬頭星雲と有機交流電燈とカルロス・カスタネダとハッカラモケソケヘッケレピーに固く誓った。

星の王になる者だと言って薄っぺらい胸を大仰に張った小僧はバオバブ・サラダの残りを食べ終えても帰ろうとしなかった。私は堪忍袋のオノマトペがミジカビノキャプリキトレバスギチョビレスギカキスラノハッパフミフミワカルネという大橋巨泉音を立てて切れた。

「やい! 小僧! 用事が済んだらとっとと帰りやがれ! 帰るついでに萩本の欽公とオワコン老害の明石家さんまにポリ塩化ビフェニル食わせてこい!」

星の王になる者だと言って薄っぺらい胸を大仰に張った小僧は私が怒鳴ってもどこ吹くセロリとアーティチョークとエンダイブとフィンガーボウルとセシウム4242の風といった様子だった。うすらでかいアフリカ・バオバブ象となにやら話しこんでいる。

「目の見えない大勢の人間に撫でられるのはどんな感じ? ゾウリムシにメタモルフォーゼ・トランスフォーマー・チェーーーーンジした直後、グーグーガンモにゾーリンゲン社製の切れ味鋭い草履で叩かれる感じに近い?」と小僧は子象のふりをしてアフリカ・バオバブ象にたずねた。鼻の動きでアフリカ・バオバブ象がうんざりした気分であることがわかった。

「その質問には、富士と群馬のサファリパークとありがとう妖怪ババアとウスラバカカゲロウマサシと半端人足基地外人と居残り下衆外道A( )C佐平次をぶっつぶしてくれたら答える。ついでに自衛隊の東富士演習場を野焼きで完全燃焼も」とアフリカ・バオバブ象は言い、バオバブの葉っぱをまずそうに食べはじめた。

バオバブの樹の上で_c0109850_20364689.jpg


Won't Be Long - Da Bubblegum Brothers
 
by enzo_morinari | 2018-10-19 13:12 | バオバブの樹の上で | Trackback | Comments(0)
<< ハナちゃんはジョン・ルイスを探... Bitches Brew ──... >>