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Do The Hustle! ── ナパームの雨を見たかい?

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J'irai cracher sur vos bombes/爆弾に唾をかけろ Enzo Molinari


晴れた日に降ってくる雨を見たことがあるかい? それが知りたい。晴れた日に雨が降ってきたらどうすんだ?

傘は? レインコートは? レインシューズは? その雨粒が1300℃のすべてを焼きつくす火の玉だったら傘もレインコートもレインシューズも役に立たないぜ。

あたり一面、酸素もなくなるんだぜ。どうする? 窒息しちまうんだぜ。苦しいぜ、窒息は。あらゆる死の苦しみの中で窒息死が一番苦しいんだぜ。

きょうも世界のどこかでそんな地獄の業火のような雨が降ってるんだぜ。ナパームの雨が。

どうする? どうするんだ? どうするんだってのよ! みせびらかしのアホ酒バカめしトロ甘カビ本飲んで喰ってウマウマして読んでスマホって御託能書きならべてSNSしてる場合か? 野暮天プア・ライフ晒してる場合か?

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高慢ちきのメアリーに恋をした名前のない馬にまたがる嘆きのインディアンはローズ・ガーデンでナパームの雨を見たか?

その日の朝、ホワイトハウス・ コンプレックスのローズ・ガーデンは雨に煙っていた。名前のない馬にまたがる嘆きのインディアン、チェロキー・ボーイはローズ・ガーデンのバラの香りに身も心もとろけそうだった。うっとりと白い館を見上げ、雨が上がるのを待つチェロキー・ボーイ。メイドのリンがチェロキー・ボーイにやさしく、そして、たっぷりと皮肉をこめて言う。

「深い川を渡るときには気をつけるのよ。溺れそうなとき、かならずだれかが助けてくれるとは限らないから。たいていの場合は手どころか指一本差しのべてくれないものなのよ。それが世界の本当の姿なの。いい? 笑顔とやさしい言葉の裏には身も凍るような裏切りが隠されていることを忘れちゃいけない。クローバーの茎からバラの花は咲かないものと神様が決めているの。 だから、いまのうちに考えなおしたほうがいいわ。手遅れにならないうちに予約を取り消しなさい。そして、雨がやんだら居留地にお帰りなさい。好き好んで涙の道/涙の旅路を歩む必要はない」

しかし、リンの言葉はチェロキー・ボーイの耳には入らない。チェロキー・ボーイは高慢ちきのクィーン・メアリーのことで頭がいっぱいなのだ。

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「ナパームの雨を見たかい? Defoliant Rainはどこに降っているんだ? だれに降っているんだ?」とチェロキー・ボーイは手当たり次第、誰彼構わずにたずねる。知らんぷり/聞こえないふり/見ぬふり、無関心、知らぬ存ぜぬを決めこむ者たち。当然だ。それがまぎれもなく世界のありようなのだから。

ほどなく、エージェント・オレンジに率いられた凄腕のエージェント、ホワイト、パープル、ピンク、グリーン、ブルーたちが姿を現し、チェロキー・ボーイを「非在の部屋/存在しない部屋」に連れ去る。モンサント、ダウ・ケミカル、ハーキュリーズ、ダイヤモンド・シャムロックのケミカル・マフィアは牧童作戦遂行の妨げ/障害になれば、相手が誰であろうと口をつぐませる。塞ぐ。葬る。亡き者にする。たとえ、それが生まれたての赤ん坊であってもだ。もちろん、相手がアメリカ合衆国大統領であっても。

邪魔者を消すだけではない。将来、邪魔者になる可能性が微塵でもあれば、周到に準備し、手加減なし容赦なしで排除し、抹殺し、消去する。跡形なし。痕跡なし。周到な準備。手加減なし容赦なし。そして、完全消去。あとには塵ひとつ残らない。存在していたこと/存在の痕跡すら消去する。Perfect Delete/完全抹消。それがケミカル・マフィアのModus Operandiだ。

世界中の森は沈黙し、二度と鳥たちが歌うことはない。長く困難な沈黙の春はいつ果てるともしれずにつづく。

雨は昼には上がるだろう。そして、晴れた雲間からはイデオロギー・ボーイがメルティング・ポットで調合した幾千億のまばゆいナパームの慈雨とDefoliant Rainが降ってくる。そのことを知らぬまま、チェロキー・ボーイはひそかな恋心を秘め、高慢ちきのクィーン・メアリーに忠誠を誓う。チェロキー・ボーイが名前のない馬にまたがって狭い居留地から広い世界へ出てゆくのはもうすぐだ。ナパームの幾千億の雨粒とDefoliant Rainがまばゆく降りしきる世界に出てゆくのは。涙の道/涙の旅路を歩むのは。
 
あかむけの魂を持つチェロキー・ボーイは世界のただ中でトマホークを振りあげ、叫ぶ。

ホカヘー! おれにつづけ! ヤタヘー! アヒェヒェ! 戦うにはいい日だ! 死ぬには手頃な日だ! Born to be Wild! ワイルドでいこう! ありがとう!

チェロキー・ボーイの頭上にナパームとDefoliant Rainの幾千億の雨粒が降りそそぐのはもうすぐだ。白い館の主と高慢ちきのクィーン・メアリーはファックとファットに夢中でそのことには気づかない。

Have You Ever Seen The Rain? - Creedence Clearwater Revival(CCR) (1971)
Indian Reservation - The Raiders feat. Mark Lindsay (1971)
 
by enzo_morinari | 2018-09-03 15:30 | 呪われた夜を超えて | Trackback | Comments(0)
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