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MEDLERの木箱とフシギの地下室#1

 
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MEDLERの木箱CLOSED SHOPを見下ろす小高い丘の頂上にある。私がMEDLERの木箱の存在を知ったのはCLOSED SHOPの永久無欠名無しの店主であり、宇宙獣蒐集家としても知られる森蔵書郎翁を通じて世界遺産文明製品の世界的企業であるMEDLER社から古代オリエント世界に関する調査報告書作成の依頼を受けたのがそもそもの始まりだった。

MEDLERの木箱にはヴォイニッチ手稿42ページ下段右の「図像ナンバー42」と寸分たがわない蔦がからまりついていて、これをMEDLERの木箱から引き剥がそうとすると行為者に対して猛然と攻撃を仕掛けてくる。この一事をもっていつからかMEDLERの木箱に容易に手出しをする者はいなくなってしまった。

MEDLERの木箱にからみつく蔦の存在については古代オリエント世界の現地調査中に収集した『メディア王国衰亡記』中にもいくつかの記述が散見される。蔦は「バクテリア・マルコメギアナコウチ」と呼ばれ、メディア王国最盛期には現在のイラン高原一帯に繁茂しており、飢饉時の人民の非常食となっていた。

メディア王国最盛期の王、キュアクサレス2世は年代記の『シャッタッリダの風』の中で「バクテリア・マルコメギアナコウチ」について触れ、「バクテリア・マルコメギアナコウチなかりせば余の統治はならず、国の弥栄はなかったであろう」と述べている。

きょうは夕方からCLOSED SHOPの地下室で森蔵書郎翁と月に一度の「秘密の時間」がある。少し睡眠を取って体調を整えておかなければならない。「秘密の時間」には満天日和世界から不思議な魔物たちが大挙してやってくるからだ。かれらには一分の隙もみせられない。油断すれば満天日和世界に連れ去られてしまう。まだ満天日和世界に行くわけにはいかない。こちらの世界でやらなければならない仕事が残っている。

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by enzo_morinari | 2018-07-05 01:45 | MEDLERの木箱とフシギの地下室 | Trackback | Comments(0)
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