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切り裂きバロウズ#2 プイグのウタダ・オートマティックな取扱説明書男 ── 亡き王女のためのパジーナス

 
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J-M-P-Dことプイグのウタダ・オートマティックな取扱説明書男はテーブルにつくなり、「亡き王女のためのパジーナス」と言い、やや間を置いてから、蜘蛛女とベーゼしすぎて赤く腫れた唇をきわめて滑らかに動かして、次の13の文節を立てつづけに発した。

始まりの歴史。ガチョウの紹介。オーロラの伝説。ビリー・ジーンの最期。出会いの時。愛から芸術へ。ヴェーロ・ヴェーロの愛。静寂の徒弟たち。単純にありえること。黄色いページ。真実の愛。繰り返される歌。七つの顔の歌。

これらの13の語にはリタ・ヘイワース色の翼が生えていて、プイグのウタダ・オートマティックな取扱説明書男の蜘蛛女とベーゼしすぎて赤く腫れた唇から吐き出されるや否や嘆きのベルリン天使の恥部に向かって飛び立った。

「さて、そこだ」と切り裂きバロウズが余裕しゃくしゃく(シャクユミコ整形シスギ)で言った。そして、額ポケットからニノチカ色の「グレタ・ガルボオの堀口大學オギノ式眼球」を42個取り出した。「おれは一瞬にしてこの店を椿姫が暗躍するグランド・ホテルに変えることだってできるんだぜ。殺し屋のライフの野郎を使ってな」

まったく、この世界ときた日には、「奥様は顔がふたつ」という寸法だ。
 
by enzo_morinari | 2014-05-10 05:58 | 切り裂きバロウズ | Trackback | Comments(0)
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