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腎臓と象牙#665「オチ夢」の話である。

 
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 夢を批評せよ 瀧口修造
 毛がなくて無病息災、寿手練経。酢豆腐自慢は夢のまた夢 E-M-M


 このごろ、ちょくちょく夢をみる。「オチ夢」と呼んでいる。必ず「オチ」があるからだ。登場するのは次の通り。

 水玉を転がす蝙蝠傘色の蟻に化けたクマグス先生、切腹して果てたある言霊信奉者(齢74にして、吾輩の「言葉の師匠」の一人でもあった。)、6歳の夏に捨てた仔犬、ゼリーのような浅丘ルリ子、つきたての餅のような吉永小百合、千葉刑務所3房のライト・ブルーの格子、弟子を2階の窓から投げ捨てるJ.S. バッハ、天秤棒を担いで巧みに腰を振る三島由紀夫、ピッツァ・マルゲリータのバジルのような色合いの村上春樹に化けたソバージュ・ネコメガエルのエクリ、東京タワーのてっぺんで「えーっ、毎度ばかばかしいお笑いを一席」と言ったきり眠りこける五代目古今亭志ん生、体中にパテック・フィリップのカラトラバ十字のシールを貼りつけた三代目古今亭志ん朝、インゲン豆船の庭の泉ちゃんが現れるソス・ド・ヴィで水垢離する飯沼勲、「おれは拳銃無宿だあ!」と言って三宿のバーに乗り込んでくる野村秋介先生、日本青年社2番車の屋根に座して瞑想する衛藤豊久先生、小石川療養所の西側を流れる清流を枕に礫で歯を磨く夏目漱石、透明な無数の歯車に挟まれてうめき声をあげる芥川龍之介、「理念院実在居士」の戒名を睨みつけるG.W.F. ヘーゲル、踏みつぶした「ゾウが踏んでも壊れない」はずの青い筆箱、トンボMONOの2Bの鉛筆、小学校の学校給食で出たメルルーサのフライ、いやな油のにおいのする煉瓦造りの焼却炉、小学校の校庭の隅っこの砂場夕暮れ、星飛雄馬の声役の声優の古谷徹の実家の豆腐屋の「パァーフゥー」の喇叭の音、鈴木文房具店の店先のちょっとした斜面を登れない吾輩に迫りくる「シェー」するゴジラ、夏の盛りに地べたに落ちたたまご屋の真っ黒けっけに汁がしみたチクワブ、ニュープロビデンス島に出かけたきり帰って来ないペーパーバック・トラベラーの自分、ニュープロビデンス島一番のバーである「レフトフック・バー」の店先で揺れる新宿矢来町百番地の老松、港区芝浦の東芝EMIポイントの極小極北の入江で拾った榛色の鮫革の財布に入っていたゼニで買った般若湯。(一挺入り - 老松)
 
by enzo_morinari | 2013-06-14 06:09 | 腎臓と象牙 | Trackback | Comments(0)
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