人気ブログランキング | 話題のタグを見る

キセキの現場/沖縄県那覇市波布食堂の「肉そば」

 
キセキの現場/沖縄県那覇市波布食堂の「肉そば」_c0109850_1742100.jpg

 キセキ盛り。だれに気兼ねすることもなくそう呼びたいと思う。その「キセキっぷり」は沖縄の青空のように突き抜けていた。あるいは天までも届くほどに。
「バカ盛り」は日本中、世界中にいくらでもあるが、波布食堂の肉そばはまごうかたなき「キセキのしるし」を体現している。よって、キセキ盛り。三日分の野菜と三日分の麺。野菜炒めの巨峰をいくらほじくり返しても麺が現れない。波布食堂の食いものを数えるときは「一座、二座」と数えなければならない。神の座を数えるのとおなじように。聳えたつ神の座をみて「バカなの?」と問う者がもしいるとしたら、吾輩は即座にその者に言う。「黙れ、ヒポ野郎!」と。幻師にしてゲンゲンムシのmaki+saegusaなら波布食堂の神の座を即座に「キセキだ!」と言ってイースター島までひとっ飛びするだろう。新ワラシベ・システムによって磨きに磨かれた「鶏あわせ」をきつく抱きしめながら。

キセキの現場/沖縄県那覇市波布食堂の「肉そば」_c0109850_1745064.jpg

 波布食堂でめしを喰うということはまちがいなくひとつの「労働」である。しかも、楽しくて心が浮き立っておなかがいっぱいになる労働。「港湾労働者那覇埠頭休憩所」の名に恥じない食いものである。
 食後、埠頭を渡ってくる風に吹かれながら沖縄の青空を眺めれば、また別の「キセキ」に出会える可能性イラヨーホイ級である。
 思いだしたらなぜだか泣けてきた。ティダの光を浴びたい。おふくろ様に会いたい。おふくろ様には会えないので、古謝美佐子と夏川りみの『童神』を順番こに繰り返し聴くことにしよう。そのうち、おふくろ様がティダの光の中にひょっこり現れるかもしれない。
 
by enzo_morinari | 2013-01-27 17:00 | キセキの現場 | Trackback | Comments(4)
Commented by akdeniz_tk at 2013-01-27 19:11
すごい!って、言葉しか思いつかないです。
量はもちろん、崩れないで聳え立つ高さも。
Commented by enzo_morinari at 2013-01-30 16:41
そう。まさに「すごい!」のひと言。言葉を失いますね。「神の座」を前にしてはそれがわれわれが取るべきもっとも敬虔な態度でもあるんでしょう。波布食堂において饗される「神の座」の一座を平らげることはたいへんな困難と忍従を強いられますが、6割の者が聳え立つ「神の座」を前に登頂を断念すると聴きおよびます。嘆かわしいことです。「登頂せよ! さもなくば死を!」とわたくしは声を大にして言いたい。
Commented by 霧々マイ at 2013-02-01 11:02 x
これはすごい^^
ムチャムチャタベタイッス!
神を前に平伏すか、山男が山に挑むように、私も挑んでみたいものです^^
Commented by enzo_morinari at 2013-02-01 19:01
きりきり舞いさん
吉村家が根岸線の新杉田で掘建て小屋でラーメン屋をはじめたとき(店の名前はまだ「吉村家」ではなくて「ラーメンショップ」でしたが)、当時としてはそのヴォリュームが圧倒的で、大盛りチャーシューなんかは猛烈の一語。波布食堂の画像の肉そばは普通盛りなんですけども、猛烈というより強烈です。吉村家はおやじのしゃべくりがおもしろくてそれも味のうちのひとつだと思うんですけども、そのおやじが「女房が妊娠中に食べられたのはおれのラーメンだけだ」と言っていたのをなつかしく思いだしますね。
<< シュールストレミングのシュール... TOKYO SHADOW・六本... >>