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ブガッティ・プレヌリュンヌ・ブカティーニ氏のアンドロジナス・デイズ #1

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泥棒かささぎ世界一のアンチ・ヴァーグナー足立荒川下町連合軍食堂、「ラ・ピエトラ・デル・パラゴーネ」の夜。

満月の斥力とクロワッサンの花王CIぶりとブカティーニ・ディ・シチリアーノ・シシリエンヌの間に横たわる相互作用とジャーマン・シェパードの忠節とロベール・カサドシュの弾くモーツァルトのピアノ協奏曲42番の凡庸と純粋理性の二律背反と「無謬完全なるアルデンテ」の困難を思いながらブガッティ・プレヌリュンヌ・ブカティーニ氏はBUCATINI TYPE57を茹でる。

チェネレントラ・ルネサンス様式の装飾で埋めつくされた「ラ・ピエトラ・デル・パラゴーネ」では、常に、いついかなるときにもヴェルディ・ミドリカワ・マコ作『ジャン=ピエール・ウィミーユとピエール・ヴェイロンのためのル・グルマン24のソネット』が黒死館門外不出弦楽四重奏団によって奏でられている。ミニマムかつファジーなノイズはよほどの健啖家でなければ食欲を失う。「ラ・ピエトラ・デル・パラゴーネ」は食を拒否するリストランテでもあるから十分に整合性はある。

「料理の三角形教団」の執拗で強引で素っ頓狂で闇討ち辻斬り的で突拍子もない布教活動の成果として、いまやありとあらゆる世界において食と生と性は分かちがたく結びついているが、「ラ・ピエトラ・デル・パラゴーネ」はそれらを分断するための試金石の役を担っている。食と生と性の解放を訴えるヰタ・セクスアリス・グルマンディー集団、「ラ・テテ・デュヌ・コクレ・エ・クー・ド・ブフ(鶏の頭と牛のしっぽ)」の本部でもある。「ラ・テテ・デュヌ・コクレ・エ・クー・ド・ブフ」はパン・ド・カンパニアを月に一度、「レシピ・ブログ」のトップページ左上に現れる鬱陶しいことこのうえもない広告で募集しているが、効果はゼロに等しい。「レシピ・ブログ」のメンバーは「今日の足あと」の数と「おいしそう!」の数と自分が「お気に入りメンバー」にされたかどうかしか眼中にないから、その余のことには目が行かないのだ。つまり、クリック・ゼロということである。

42番テーブルでは苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべる悪魔の美食家、マエストロ・ロッシーニがお待ちかねだ。哀れなもののけ白鳥カウンターテナーが『ヨイトマケの歌』の絶唱とともにジブリ・ジビエ色に焼き上がった直後、マエストロ・ロッシーニは厨房のブガッティ・プレヌリュンヌ・ブカティーニ氏に向かってこれみよがしに言った。

「茹でて食す。一人二役。これぞ真の両性具有」

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by enzo_morinari | 2013-01-20 12:30 | 超越論的美食学 | Trackback | Comments(1)
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Commented by r_magnolia at 2013-01-20 22:37
そうきましたか、ブカティーニ。
ニヤリ(  ̄▽ ̄)
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