カテゴリ:ココペリのコッペリア( 1 )

2012年土用の丑の日のココペリキリギリスのボーイ・リョージの巨大なファルス#1

 
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ココペリはホピ族の精霊にして豊穣の神である。ココペリはカチナの笛を吹き、ホピの人々に豊作と子宝と幸運をもたらす。いにしえのアメリカ大陸の人々はココペリが土地を肥沃にし、背中から種を蒔くことを語り継いだ。ココペリの魂が大地を離れるとおそろしい飢饉が起きて人々を根絶やしにした。

「今度の土曜が土用の丑の日になったらどうしよう」と言った途端に口のまわりにカンジキウサギの毛をこびりつかせたココペリキリギリスのボーイ・リョージはディネの男から譲り受けた儀式用のナバホ・ラグの上で腕立て伏せ開始。2万回。つづいて反復横飛びを42回/分で420セット。

ボーイ・リョージが2万回腕立て伏せと42回/分で420セット反復横飛びをしているあいだに私がしたことは、日本国憲法第72条をベルリンの壁跡に埋めることだった。埋め終えるとiPadで接続していたねとらじから野田土左衛門首相がすべての官僚を罷免する旨を含んだ戒厳令を発したことが伝わってきた。

私はフランクフルト国際空港まで猛烈ダッシュし、気の弱そうなトルコ人から航空券を猛然と奪取してルフトハンザ航空の東京行き最終便に飛び乗った。東京ではボーイ・リョージと野田土左衛門首相が私の帰国を待ち焦がれているはずだ。

同じ頃、古きよきハイデルベルグではボーイ・リョージの海栗の親友である能垣ケイオバフンウルサンがアルト・ハイデルベルグの中心部を流れるネッカー川で「グローバル蚊。グローバル蚊」と雄叫びをあげながら北陽の虻川に体液を吸われすぎて溺死するという笑い事が起きていた。2012年の春以来、世界は実に曖昧で必然的でインタディシプリナリで困惑で蠱惑的でコンドロイチンなことであふれかえってしまった。なんとも情けなく嘆かわしいかぎりである。

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さて、海栗の親友である能垣ケイオバフンウルサンを失い、インタディシプリナリ自体となったボーイ・リョージは現在、軽部真一ファン・クラブの代表世話人として超田圃で超多忙な田植え作業の真っ最中である。

ボーイ・リョージの大好物は「梅ぼしシートVer.42」だ。「梅ぼしシートVer.42」の手持ちがなくなるとボーイ・リョージはある困った事態に立ち至る。しかし、まだここでは明らかにできない。

私はと言えば、気の弱いトルコ青年党党員を無理矢理ターコイズしたお門ちがいで国際指名手配されている。それだけではない。いんげん豆の国際シンジケート問題、エクサンプロヴァンス地方の諸問題対策、ジーン・パチェットとヘミングウェイの密約の糾明、ひとつの椅子とみっつの椅子の宇宙際タイヒミュラー理論の証明にかかる査読要員の確保、整数論の瑕疵を孕んだ加減乗除問題と魔界と死問題と魔界都市・登米市において頻発するラマヌジャン・タクシーの乗車拒否問題の解決、ソバージュ・ネコメガエルの実存の最先端捜索隊の結成と活動資金の調達、フクシマの小女子釣り規制にかかる条例案の立案、「デンリョク畑でつかまえて(The Catcher in The Lie)」と朝から晩まで愁訴するデタラメ・ハルキンボの処遇と不当利得返還請求訴訟の訴状の起案、グレイなレム睡眠がお好きなキュリー夫人の婚外性交に端を発したアイソトープ嬢とソープ嬢の青い靴下を履いた青騎士の叛乱の鎮圧、テプコ・アトミック・ワンダーランドの愉快な仲間たちの死刑執行命令書への署名、キーヨ・エスタス・キーオ氏の記号論的言語パンと DONQ の戦略的思考パンである新製品「ジュ・パンス・ドンク・ジュ・スィ」とそのラテン系ヴァージョン、コギト麦100パーセントのエルゴスム・パンの比較衡量研究に関する論文の執筆、「電通通行止めX」に対する電通の猛烈卑劣な抗議への対応、広告業界メッタ切りを要望する消費者への対応についてのラルフ・ネーダーへの委任手続き、折れたペロポンネソスの修復工事の目論見書の作成、コビト・エルメスの憂鬱をフォーブル・サントノーレまでデリバリーする際の梱包手順書の作成、マ・メイユール・モワティエさんの完全性の証明に関する無謬性と無矛盾性の検証、タイヒ=ミューラー宇宙際セオリーのスワヒリ語とヴォラビュク語への翻訳、ISP細胞を商材としたビジネス・モデルの構築と山中伸弥氏への社外取締役への就任依頼、 トーキョー・アネクドートによってペット・セメタリーB地区9696街区から蘇ったフルシチョフ・ゾンビの説得、ル・コルビジェをぶっ飛ばしたことによって俄然勢力を拡大しはじめたピーター・アイゼンマン、ダニエル・リベスキンド、フランク・ゲーリー、コープ・ヒンメルブラウ、ダニエル・リベスキンドらを中心とするデコンストラクチュアル・ギャング・スターズへの規制強化策の策定、好色なアッシュ・アスピレ・アンシェヌマンさんのカウンセリング、オメガ・ポイントに向かってまっしぐらに驀進するニホン・フジョーリ・セイフへのセーフティ・ネットの発動、「月の酔いどれ船」で見たグレープフルーツのような月とトマス アラン ウェイツとベルリンの壁の密航の橋渡し、白い城と神々の棲まう岬と花ざかりの森とクマグス先生のまんだらけへの権利譲渡、蘭奢待の女の怨念の除法問題、ジョニイへの伝言と五番街のマリーへの内容証明付き最後通告、そして、玄妙の言葉求めて櫻花 薄紅匂う道をこそゆく吾輩自身の人生に関する「齢の決算書」の策定等々が山積していた。しかし、Time Will Tell だ。焦らなくたっていい。時間が経てばわかる。明日へのずるい近道はない。「雨に負けないで」と宇多田ヒカルも歌っている。いざとなればキング・オブ・ココペリがコッペパン屋のムテキング・コッペリアを連れてきてくれる。

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夕方、冬の村のアイドル、ティーピーちゃんが丸太小屋をかついでやってきた。ティーピーちゃんはマナーとエチケットにとてもうるさい。用事があってティーピーちゃんの自宅を訪ねたときは玄関前で大きな咳払いを42回してティーピーちゃんに来訪を知らせたあと、家の中に入る許しをえなければならない。いきなりティーピーちゃんの家の中に入ることは重大なマナー違反とされて、冬の村の外れにある「呪いの黒い今日のトーテム・ポール」に三日三晩と42時間縛りつけられる。運が悪ければ飢えた虹のコヨーテに生きたまま喰われ、運がよければニーチェ爆弾を仕掛けられる。ニーチェ爆弾が爆発するまでは42秒の余裕があるのですばしこければ無傷で脱出できるし、鈍臭ければ木っ端微塵、ウィンダムヒル・ハンバーガーのパティの材料になる。話はとても簡単だ。

玄関が開いている場合は友人ならそのまま入ってもよい。友人の同伴者も入ることがゆるされる。ただし、友人の同伴者であっても飛ばない豚の野村沙知代と但馬牛の生まれ変わりの田嶋陽子と辻斬り悪党の子孫である辻元清美は決してティーピーちゃんの家の中に足を踏み入れることはできない。ティーピーちゃんはこの三匹の下衆が大嫌いなのだ。けたたましいうえにインチキうそっぱちまやかし品性下劣な者は例外なく立ち入りを拒絶される。どれほどきれいごととおべんちゃらとおためごかしとお愛想を並べ立てようとティーピーちゃんには通用しない。ティーピーちゃんはなにからなにまでお見通しだ。なにしろ、ティーピーちゃんは「人間の真実とうそっぱちとまやかしとインチキを見抜くカンジキウサギ世界選手権」で42連覇中の眼力の持ち主なのだ。甘く見てはならない。甘いのはレモネードとココアとマカロン・パリジャンだけでいい。

男の訪問者なら家の中に入ったらまず右側へ寄り、アリーナ席(奥にあるティーピーちゃんの席の左側)に座る許しをティーピーちゃんが出すまで待つ。女の訪問者は男の後から入り、左側でこれを待つ。中に入った者は先に座った者の外側を通り、ファイストス円盤形に座っていくのが正しい作法である。食事に招かれたら、ユリゲラー・スプーンとインチキ清田少年食器を持参し、出されたものは残さず貪り食う。仕上げに食器にこびりついた食べ滓やらボボ・ブラ汁やらリータモ・カズヨシイシルやらを一定時間(リータモ・カズヨシ時間)舐めなければならない。これはかなりの難儀だ。しかし、絶対に通過しなければならない「儀式」でもあるので、なんぴとも、カスミガセキ・シロアリであっても、避けてとおることはできない。

客はセントラル・パークの南、太陽の西にある焚火と他の客のあいだを通らず、座っている者の後ろを通らなければならない。座っている者は「ホカ・ヘイ! ヤタ・ヘイ! アヒェヒェ!」とかけ声を発したのちに身体を倒し、通りやすい空間を確保する。男は体育座りをしてもいいが、女は「ずいずいずっころばし胡麻味噌ずい茶壺に追われてとっぴんしゃん抜けたらどんどこしょ俵のねずみが米食ってちゅうちゅうちゅうちゅうおっとさんが呼んでもおっかさんが呼んでも行きっこなしよ」を42回歌ってからでなければ座ることすらゆるされない。ティーピーちゃんの家の中では「男尊女卑」が平然と行われているのだ。「男女の相互乗り入れ」を声高に主張した江上(目と目のあいだの間隔がビミョー)節子がティーピーちゃんの不興を買ってリクルートの『とらばーゆ』初代編集長の座から転げ落ちたのちに騎馬民族征服王朝業界に天職をえたのは転職業界では有名な話である。

女は建長寺派正座をするか、「屁なりとて仇と思うな諸人よ。ブツというのは仏なりせば。糞かきベラスケスのラス・メニーナス。あるがままなり。こんべるそ」と唱えて音あり放屁をかましてからなら膝をくずすことがゆるされる。放屁の際は尻の左側を持ち上げて行うのが暗黙のルールである。

男だけの集まりの場合、話の鼻を切るのは無用の長物老いぼれと決まっていて、小僧っ子若造どもは無用の長物老いぼれの許しをえるまでは深く黙っていなければならない。またなにかを話すときは「語りつくせぬことについては沈黙せよ」という「ディネの掟」42項修正B-29エノラゲイ及びリトルボーイ並びにファットマンを遵守しなければならない。ティーピーちゃんがボングの掃除をはじめたら「とっとと帰れ!」という合図である。そのときはマンチーでドミノ・ピザのクワットロ・フォルマッジのXXXLサイズを3枚食べたかろうがオーバードーズでタコ八郎状態だろうが、来訪者はロンゴロンゴ・ストーンを拝戴しながらアサバスカ語とルーン語とソルレソル語で3時間半にわたって謝辞を述べたのちにそそくさと帰る。夜はふけているどころか明けている。そして、次の来訪者の咳払いが夜明けの冬の村に響き渡り、ティーピーちゃんのチャン・ティーピー・デイズがはじまる。宇宙を支配する巨大な意志の力の導きによる悲しみと怒りのロング・ウォークの開始まであと42日と42時間。
 
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by enzo_morinari | 2012-11-04 06:30 | ココペリのコッペリア | Trackback