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1億1000万本の指#1

 
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 わが内なるスリー・フィンガー・システムが遭遇した彼女の実存の最先端【1/3】


 吾輩の三本指。これがすんごいのである。やることなすこと、すんごいのである。吾輩の三本指がすんごくなったのは5歳。パリ16区の市民病院待合室の午後の曳航時分である。それはそれは、ニガい時間帯だった。ニガいのが当然なのは経験者であるならばわかる。とにかく、ニガい。しかも、ニオう。ニガくてニオう。ニガブロ・ニザンの3日目のニガー風呂のようにニオう。そのような世界がかつてか、どこでもか、あったということだ。(ニガさの源が「胆汁」であることを知るのはずっとあとのことである。)

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 診察を待つ母親と吾輩の前を見目麗しきナイチンゲール・ガールが通りすぎようとした。吾輩は落ちつきはらって彼女を呼びとめた。

「きみきみ。なにか落ちたようだよ。」

 件の見目麗しきナイチンゲール・ガールは感謝を表明するいとまもあらばこそ、振返り、しゃがみ込んだのである。巨大な丸い尻が神の恩寵とも言いうる神々しさで吾輩の眼前、20cmのあたりに突き出された。そのとき、吾輩はどうしたか? 右手の三本指、すなわち、親指、人差し指、中指をほどよく束ね、三本の指先を擦り合わせるや、いっきにナイチンゲール・ガールの肛門めがけて突き立てたのだ。
 悲鳴。深く鋭く確実な悲鳴。当然である。のちに判明したことだが、ナイチンゲール・ガールは尻処女だったのだ。悲鳴は当然である。彼女を責めるのは玉門ちがい、お門ちがいもいいところである。悪いのはすべて吾輩の三本指、スリー・フィンガー・システムなのだ。だが、敵もさるもの、パリジェンヌ。悲鳴のあとのナイチンゲール・ガールの逆襲は、わが生涯においてドレッドノート級スットコドッコイ事態を招くこととなるのであった。

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 Finger Poppin' - Horace Silver
 Finger Painting - Earl Klugh
 フィンガー5 - 学園天国/個人授業/恋の研究ほか
 
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by enzo_morinari | 2013-09-21 22:59 | 1億1000万本の指 | Trackback