カテゴリ:公園通りの南側( 1 )

陽当たりのいい表通りのリストランテでなつかしい友人と囲んだ昼下がりのテーブル

 
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海側からやってきた9月の風はどこまでも澄んで、昼下がりのオープン・テラスのテーブルに注ぐ光は軽快で、ビル・エヴァンスがおどけて弾く『ミッキーマウス・クラブのうた』のように健康的だった。


36年来のなつかしい友人と秋の晴天の爽やかな午前のひとときを畑毛温泉・源泉荘の露天風呂ですごしたのち、三島駅北口のリストランテ&ピッツェリア、『ラ・マニョーリア』でおそい昼餐をとった。

海側からやってきた9月の風はどこまでも澄んで温泉で火照ったからだに心地よく、昼下がりのオープン・テラスのテーブルに注ぐ光は軽快で、ビル・エヴァンスがおどけて弾く『ミッキーマウス・クラブのうた』のように健康的だった。


三島駅北口の昼下がりのテーブルに並んだ料理その他は以下のごとし。

1. 大瀬牛のロースト・ビーフ(修善寺産ワサビ添え)とイベリコ豚のプロシュートと戸田産バショウイカの墨煮とイタリア共和国バシリカータ州産パプリカのローストの前菜盛り合わせ
2. 沼津産ヒラメと三島産ジャガイモと同ポモドーロの蒸しもの香草仕立て
3. サルシッカーラ・ルカーニャ(イタリア共和国バシリカータ州産パプリカと黒胡椒入りルカーニャ・ソーセージ)のマッシュド・ポテト添え
4. 沼津産帆立貝の小柱と函南町産朝採れほうれん草と三島産ポモドーロのペペロンチーノのパスタ
5. 当然の、我が物顔の、吾輩麦酒をきれいに霜のついたグラスに1杯。オンリー1杯
6. 哀愁と感傷がブレンドされたエスプレッソ(トリプル)2杯
7. 一人置きざりにされた者の夕暮れの無聊をかこつのにこそふさわしい石窯焼きピッツァ・マルゲリータ一枚(テイク・アウト)

(合計5100円。ただ同然とさえ言いうる。東京のリストランテなら軽く15000円だろう。この一事をもってしても、東京は暮らす街ではなく、仕事をする戦場であることがわかる。東京を離れて半年。今日、東京を卒業したことは正しかったとの確信を得た。)


おいしくたのしく健やかでしなやかで、ちょっとせつない時間は瞬く間にすぎ、われわれの語らいはつきることがなかった。

友人を新幹線の改札口まで見送り、彼は三島発東京行き13時55分の東海道新幹線こだま号に乗って帰るべき場所、愛する小さき者の待つ場所へと帰還した。

吾輩は空咳をしつつ一人、秋の陽射しに包まれた昼下がりのテーブルに戻った。テーブルには間に合わなかったエスプレッソのカップがふたつ並んでいた。昼下がりの一人のテーブルに並ぶふたつのコーヒー・カップにはいくぶんかのかなしみとせつなさがあった。かくして、秋はさらに深まりゆく。


友よ。遠い国から来たかけがえのない友よ。吾輩はいま奇跡とも思える出会い、精妙不可思議な縁による導きとしか言いえないきみとの深く鋭く豊かで健やかな日々に思いを馳せ、きみの瞳に乾杯しつつ、山下達郎の歌う『さよなら、夏の日』と『ずっと一緒さ』と、アンドレア・ボチェッリ&夏川りみの『Somos Novios』を繰り返し聴いている。夜明けまできみのことを思いながら聴く。きみ住む街にも届け。きみも聴け。


また、いつかどこかで。公園通りの南側、陽当たりのいい表通りで。ずっと元気で。ずっと健やかに。しなやかに。ピース。(カザルスではない。1989年11月9日、ベルリンの壁のロストロポーヴィチである)


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On The Sunny Side of The Street - Frank Sinatra
Somos Novios - Andrea Bocelli & Rimi Natsukawa
 
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by enzo_morinari | 2013-09-12 17:54 | 公園通りの南側 | Trackback