カテゴリ:I, The Jelly( 4 )

I, The Jelly/俺がクラゲだ! ── 青いヒポポタマスの小さなあくび

 
c0109850_17455519.jpg

 
俺がNPJ(Natural Psycho Jelly/ナチュラル・サイコ・ジェリー)となるに至った経度と緯度/入射角と反射角について。

前へ進め。止まれ。右向け右。左向け左。前へならえ。こどもの頃から俺にはすべてできなかった。いや。しなかった。俺には前も後も右も左もないし、いつもフワフワユラユラと漂っているからだ。そうするよりほかにないからな。団体行動は苦手だ。

だがよ。俺は漂っても沈まずに生きてきた。悠々としちゃいるが急いでいる。俺には右も左も前も後も上も下もない。全方位全方向。おまけに全天候型だ。ただし、速く移動することはできない。速く移動できない者がとるべき態度はただひとつだ。

1mmたりとも移動しないこと。完全無欠の静止/停止を保持すること。何者も立ち入ることのできない「完全定点」から世界を観察/分析/解読すること。

移動は階級と格差を生むが静止/停止は孤立をもたらしはしても静止者/停止者を自由にする。その者たちはいずれ「サイコパス・アサシンズ」として世界を喰い破りにかかる。そして、俺はナチュラル・サイコ・ジェリーとなり、サイコパス・アサシンズのメンバーとして世界のありとあらゆるものをヒットするようになった。その準備運動のために俺は『出ジパング記』を記さねばならなかった。


青いヒポポタマスの小さなあくび#1 
『出ジパング記』の取材のためにエジプトを訪れて3日目の昼下がり。俺はバビロン行きのオンボロ・バスの後部座席で出口の見えない腹痛と吐気と下痢に苦しんでいた。腹痛と吐気と下痢の原因はダウソ・タウソの浜田雅功だ。

「エビアン汲んできて。いますぐエビアン汲んできて」

浜田は俺と眼を合わすことができず、うつむいたままそう言った。くちびるが明太子42個分くらい腫れ上がっていた。

「ハマちゃん。前田敦子にクリソツなところ申し訳ないけどさ。明太子42個分に腫れ上がったくちびるでエビアン汲んできてって言われても、おれはへたれ山崎やほほほ~い遠藤章造じゃないんだから、ほほほ~いとフランスの山奥も山奥の銭湯、エヴィアン・カシャ湯までなんか行けないよ」

「ほならオーヤン・フェーフェーかアイフ・モーフェー買うてきて」
「ええええええええええっ! もうそれは去年大失敗したじゃんよ。まだ懲りてないわけ?」
「そんなん言うたかて、わいは拍手とナイス!とイイネとコメントとコメント返しとコメント付き足跡がないと死んでしまうねん」
「じゃ、死ねよ」

俺が突き放すようにそう言うと浜田雅功は本当にその場にもんどり打って死んでしまった。

煙草1厘2分3毛事件、電気窃盗事件とならんで20世紀最悪の難事件と言われた「聖フォルトゥナ・トリオンフィ修道院寸借詐欺事件」を解決してまだ日が浅い警視庁捜査1課の名捜査官・松岡正剛警視と法水倍音太郎警部を中心とした精鋭による「タラコくちびる頓死事件捜査本部」が麻布警察署の用具倉庫の一隅に設けられたが、一度も捜査会議が開かれることもないまま「タラコくちびる頓死事件捜査本部」は解散した。浜田の明太子42個分の下くちびるの裏側から前田敦子クリソツ問題に悩んでいたことを強くうかがわせる遺書めいたメモが発見されたからだ。

俺は浜田雅功の墓前に供える水を汲みにフランスの山奥も山奥の銭湯、エヴィアン・カシャ湯を目指した。死ぬ思いでたどりついたフランスの山奥も山奥の銭湯、エヴィアン・カシャ湯は閉鎖されていた。

「政府閉鎖の影響により本湯は閉鎖します」

ガバメント・シャットダウンと銭湯の閉鎖がどう関係するんだってのよ! もうめちゃくちゃじゃないか! 俺は腹立ちまぎれに近くの井戸で水を汲んで飲んだ。飲んだとたんに眠りに落ちた。そして、夢を見た。こんな夢だ。


夢の中で俺は不思議な女の子に出会う。スカボロー・フェアの帰り道だ。女の子は美しい亜麻色の髪にパセリとセージとローズマリーとタイムで編んだ髪飾りをつけていた。

「あなたが縫い目のないシャツをひと粒の雨も降らない土地の涸れた井戸で洗うことができたら、わたしはあなたの恋人になるわ。そして、千年の間貞節をつくします」

女の子は言うと髪飾りからタイムのひと枝を抜き取って差し出した。俺はタイムの小枝を受け取り、胸ポケットに挿してから拳で三度心臓のあたりを叩いた。凍りついたアルマジロの背中にテニスボールをぶつけたのと同じ音がした。

「問題は、縫い目のないシャツが手元になくて、おまけに涸れた井戸がどこにあるかわからないってことだ」

俺が言うと、女の子は答えた。

「縫い目のないシャツはわたしがつくるから、井戸はあなたがみつけて」

この夢から俺は「分業」の大切さを学んだ。しかし、縫い目のないシャツはいまだに完成していないし、ひと粒の雨も降らない土地にあるという涸れた井戸もみつかっていない。

それでも、いつかは縫い目のないシャツは完成するはずだし、井戸もみつかるにちがいない。明日やればいいことを今日やらないだけだ。そして、バビロン行きのオンボロ・バスに飛び乗った。乗ったはいいが激しい腹痛と吐気がおそろしいほどの勢いで襲いかかってきた。そして、誰もいなくなった。「死ね死ね団」の創立メンバーを除いて。

c0109850_174701.jpg

吐瀉物はバケツ2杯分に達していて、のちにギザのピラミッドで観光客らを襲撃することとなる「死ね死ね団」の創立メンバーを除くと、エジプトの民は俺の周りからきれいさっぱり消え失せていた。このときのバビロン行きのオンボロ・バスの運転手がムハンマド・ホスニー・ムバラクである。いまから思えば実に奇妙なめぐり合わせだったと思う。

俺の腹痛と吐気と下痢の原因については実はまだ心当たりがある。俺はエジプトに来る前、パリで2週間ほどすごし、そのとき、ルーブル美術館のエジプト室に忍び込んであるものを盗み出していたのだ。

盗み出したのはエジプトの第12~13王朝時代、紀元前2000年頃にファイアンス技法を用いて作られたセラミックの青い河馬のこどもだった。

青い河馬のこどもは母親だか父親だかの大きな河馬に寄り添うかたちで展示されていた。俺は『M: I』のトム・クルーズばりの装備と『エントラップメント』のサー・トマス・ショーン・コネリーなみの緻密な計画を立てていたが、実際にはルーブル美術館の警備は驚くほどスペイン風にケ・セラ・セラだった。

俺はなんなくセラミックでできた青い河馬のこどもを盗み出した。しかし、それがおそろしい呪いと真の悪夢と不思議な冒険の始まりだとは思いもよらなかった。

俺は耐えきれなくなってついにバスを降りた。「死ね死ね団」のメンバーは俺のことをとても心配して青ナイルと白ナイルが合流するところまでいっしょに歩いてくれた。

俺が「死ね死ね団」のメンバーの憎悪と憤怒の炎に包まれたたくましい背中を見送り、青ナイルと白ナイルがぶつかって川の水の色が変わる場所にみとれているあいだに夕闇が迫ってきた。そして、青い大きな河馬がやってきた。

「息子を返してもらおう。さもないとおまえは永遠に腹痛と吐気と下痢に苦しむことになるぞ。それだけじゃない。ナイルの神であるおれがもっとおそろしい呪いをかけてやる」

そう言ってすごむ青い大きな河馬のうしろには骨をくわえたジャック・ラッセルのNBK(ナチュラル・ボーン・キラー)とインカ・オーロックスのアレアレ・モーモーちゃんと「飛ばない豚はただの豚だ」とまで言いきってアドリア海の空のエースとなった紅豚が並んでいた。俺が盗んだ青い河馬のこどもよりふたまわり大きいこどもの河馬もいっしょだった。

強いめまいがし、俺はその場にもんどり打って倒れた。青ナイルと白ナイルのあいだを渡ってきた風が心地よかった。そして、また夢をみた。夢をみているあいだ、ずっとファンタン・モジャーの『Rasta Got Soul』が聴こえていた。

c0109850_1746278.jpg

青いヒポポタマスの小さなあくび
 
[PR]
by enzo_morinari | 2014-06-02 17:48 | I, The Jelly | Trackback

I, The Jelly/俺がクラゲだ! ── アトミック・ジェルフィッシュの使徒として#3

 
c0109850_7462378.jpg

 
スロケのイラの言うとおり、なににつけ重要なのはサイズとサイエンスとサイコロジーだ。しかし、たいていの奴は自分のサイズをまったく把握していない。1ℓのボトルに1tの水は入りきらないし、100万tのタンカーに1ℓの原油を入れても利益は出ない。話は簡単だ。

自分のサイズを知るためにこそサイエンスとサイコロジーはある。外部を知り、グリップするためにサイエンスはあり、内面を知り、グリップするためにサイコロジーはある。

サイフェルトは『電信電波の波に乗り』の中で次のように看破した。

もっともおそろしいのは秘密警察でもスターリンでもない。なにも知らず、知ろうともしない大衆=愚者である。

知ること。そして、グリップすること。甘っちょろいロマンチシズムや盲目的情動的な情念で手に入れられるものはたかが知れている。ティーフェンプスュヒョロギーは甘ちゃんには100万年早い。

そのことを知ってか知らずか、才能のかけら/切れっぱしさえ持ち合わせていないようなポンコツボンクラヘッポコスカタンデクノボウが肩で風を切っている。したり顔をさらしてやがる。だから、ヘタを打つ。失敗する。やけどする。おまけにサイエンスとサイコロジーに関する知見はゼロときたもんだ。

そればかりか、自分のポンコツボンクラヘッポコスカタンデクノボウぶりをまるで切り札、武器ででもあるかのようにさらけだす輩までいる始末だ。「天然」だの「純朴」だの「シンプル」だのと言い換えてもお見通しだぜ。天然偽装、純朴偽装に騙されるような俺じゃねえさ。「弱さ」が武器たりえた時代はとっくの昔に終りを告げていることを知らねえのか?

c0109850_815073.jpg

おまえたちに三月ウサギを盗み去るルパン、ラパン・ルパンを捕縛することはできない。水銀好きのキチガイ帽子屋の魂を救済することはできない。チェシャ猫に戦いを挑む箱猫ことシュレディンガー・キャットを見つけだすことはできない。

イナバの物置からアブラアム=ルイ・ブレゲ『作品番号160 マリー・アントワネット』をくすねたイナバウアー・ホワイト・ラビットはジョージ・ベンソンにこんがり焼かれる運命だ。

焼かれたあとは天国か地獄か。はたまたハクナマタタ、ハートの女王の元へ直行か。移動はすべてジェファーソン・エアプレインのファースト・クラスだ。となりのトトロ席にはまちがいなく右の上腕二頭筋のあたりに「ホワイト・ラビット命」とタトゥーを入れたマトリックス・マンが座っている。

すでにして、賽は投げられた。サイモンとガーファンクルなど聴いている場合ではない。サイ・ヤング賞を獲るくらいの気位を持つときだ。内角高めの胸元ぎりぎりに豪速球を投げろ。なんならぶつけちまえ。2Q14年のビーンボールだ。もはや、スパゲティ・バジリコもナイーヴなロースハムも不全感もお呼びじゃない。時代は確実に変わったんだ。

サイハイ・ソックスもサイハイ・ブーツも脱ぎ捨てろ。サイバネティック・アートに唾を吐きかけろ。さもなければ、サイバネティックスに身を委ねるかサイバー宗教にハマるかサイバー・ヒューマンになるかサイバー・スクワッターとして生きるかだ。

サイバー・セキュリティーとサイバー・パトロールを突き破り、突き崩し、サイバー・ウォーズに勝利しろ。あるいは名うてのサイバー・テロリストとして一陣のサイバー・ナイフとなれ。サイバーパンクを子守唄がわりに。

サイバー・スペースは脳味噌のネジの緩んだ甘ちゃんが生き延びられるほど甘くはないぜ。おぼえとけ!

c0109850_7565019.jpg

吸え! 喰え! 翔べ!── フラワートップス愛好家のためのレゲエ
 
[PR]
by enzo_morinari | 2014-05-31 22:59 | I, The Jelly | Trackback

I, The Jelly/俺がクラゲだ! ── アトミック・ジェルフィッシュの使徒として#2

 
c0109850_2127947.jpg

 
ずいぶんと待たせちまったようだな。紀伊国屋は散々だったぜ。店に入った途端に万引きGメンのばばあにピッタリとマークされてよ。1mmうしろにずっとくっついてやがんのよ。そんな塩梅じゃあどうにもこうにもだ。菜っ葉1枚くすねられやしねえ。

だが、俺はクラゲだ。正真正銘、混じりっけなしのクラゲ様だ! 俺が正真正銘、混じりっけなしのクラゲ様であることは人間革命好きの長井秀和なみにまちがいないが、ときどき心得ちがいをしでかしてクジラになっちまうことがある。

そう。俺は紀伊国屋の万引きGメンのばばあにひっつかれつづけたせいでクジラになっちまったという寸法さ。正確にはクジラクラゲにな。

クジラと言ったって、そんじょそこらに打ち上げられているおマヌケなマッコウクジラやシロナガスクジラやクラミジアクジラやハナモゲラクジラやウゴウゴルーガクジラどもとはわけがちがうぜ。バルテュスとバルビュスのちがいもわからないトウヘンボククジラとはな。地獄とメタモルフォーゼと二等辺三角形が紙一重だってこともわからない能天気唐変木とはな。

俺はクジラはクジラでも、持続する志を内に秘めて厳粛な綱渡りをする死滅する鯨だ。クジラクラゲと言やあ、レッドリストどころの騒ぎじゃないぜ。死滅し、亜空間に固定される鯨さ。

c0109850_21292798.jpg

人間どもは1日に10億人が移動するが、クジラは1日に3万3000頭が3万3000km先のティエラ・デル・フエゴ、火の鯨の土地を目指している。ホエールズ・ホーン岬をな。

サイレント地震が1週間つづこうがおなじだ。サイクリック・コードが発狂しようが変わらない。そして、俺たちはサインコサインタンジェリン・ドリームをみる。みつづけるのさ。

そう言えば、ここんところ、空飛ぶサイコパス、スロケのイラの野郎を見かけねえな。賽の河原にでも釣りに行きやがったか。それともサイキック・サイケデリック・サイクリングの旅にでも出やがったか。

いつもイライラしているスロケのイラ。
いつも苛立たしげにツノを振り立てているスロケのイラ。
「愚妻には困ったものです」が口ぐせのスロケのイラ。
「最後の晩餐は貧者の食卓で」も口ぐせのスロケのイラ。
「最高の晩餐は良妻のスープで」も口ぐせのスロケのイラ。
「重要なのはサイズとサイエンスとサイコロジーだ」と言い張っていたスロケのイラ。

最後にスロケのイラに会ったのは3週間前、歳末大売り出しで街は大騒ぎだった。犀週間が終わったばかりだった。「アウト・オブ・エデン・ウォークのゴールで会おう」と言い残して、空飛ぶサイコパス、スロケのイラは飛ぶように走り去った。

c0109850_21274177.jpg

その日の午後、俺はサイプレス・ヒルの『Hits from the Bong』が大音量でかかるスロケのイラの部屋でグスターヴォ・サインスのうさぎ小説を読んでいた。

ゴキゲンな午後だった。ゆるやかな正弦曲線を描いて沈黙の異形ベイビーがかっ飛んでくるまでは。

予測しない事態に、俺は思わずサイン・バーを握りしめた。沈黙の異形ベイビーの飛翔角度は正確に上向きに8度だった。エチオピアの砂漠にかすかに残る人類最古の痕跡、サイン、Signifié/Signifiantが頭をよぎった。


Hits From The Bong - Cypress Hill
Hits from the bong
Hits from the bong
Hits from the bong
Hits from the bong

Pick it
Pack it
Fire it up, come along
And take a hit from the bong
Put the blunt down
Just for a second
Don't get me wrong
It's not a new method
Inhale
Exhale
Just got an ounce in the mail
I like a blunt or a big fat cone
But my double-barrel bong
Is gettin' me stoned
I'm skill it
There's water inside don't spill it
It smells like shit on the carpet
Still it
Goes down smooth when I get a clean hit
Of the skunky, phunky, smelly green shit
Sing my song
Puff all night long
As I take hits from the bong
Hits from the bong y'all

Hits from the bong
Can I get a hit?
Hits from the bong
Gonna get high

Hits from the bong
Can I get a hit?
Hits from the bong
Can I get a hit?

Let's smoke that bowl
Hit the bong
And then take that finger off of that hole
Plug it
Unplug it
Don't strain
I love you Mary Jane
She never complains
When I hit Mary
With that flame
I light up the cherry
She's so good to me
When I pack a fresh bowl I clean the screen
Don't get me stirred up
The smoke, through the bubbling water
Is makin' it pure so I got ta
Take my hit and hold it
Just like Chong
I get the bowl and I reload it
Get my four-footer and bring it on
As I take hits from the bong

Hits from the bong
Gonna Get High
Hits from the bong
Gonna Get High

Hits from the bong
Gonna Get High
Hits from the bong
Gonna Get High

Hits from the bong
Gonna Get High
Hits from the bong
Gonna Get High

Hits from the bong
Straighten your dick out
Gonna Get Hiiiiggghh

c0109850_917867.jpg

 
[PR]
by enzo_morinari | 2014-05-30 21:30 | I, The Jelly | Trackback

I, The Jelly/俺がクラゲだ! ── アトミック・ジェルフィッシュの使徒として#1

 
c0109850_62741.jpg


俺がクラゲだ。俺が正真正銘、混じりっけなしのクラゲ様だ! 人は俺をジュレ・ジェラートのジェリーと呼ぶ。正式な名前はちょいと長いぜ。ジェリー・ジュレ・ジェラート・ゲラーレ・ジェル・ゲル・ゼラチンだ。

コンドロイチンは本家ということになってるがどうでもいい。心太屋のカンテン家と照明屋のカンデラ家とヘンリー・アフリカ創業一族のマンデラ家も親戚といやあ親戚だな。ジェリー藤尾のじいさんにはずいぶんと世話になったぜ。女房を真っ黒黒須家のエボナイトの小僧に寝取られて最後はかわいそうなことをした。へ? ジェリー藤尾のじいさんまだ生きてるって? そうかそうか。とっくのとうにくたばったと思ってたが生きてやがったか。そうか。なによりだ。うれしいぜ。なんだか涙が出てきやがるぜ。

それにしてもひでえ女だったな、あのインランは。そんなにエボナイト棒は具合がよかったのかね? 黒くて硬いのがいいのはわかるけどもな。モラルってものがあるだろう。考えると胸くそがわるくなるぜ。

ん? だれだ? ゲロとかぬかした奴は。あまり俺を怒らせないほうがいい。俺は怒るとゲル状ジャックに変身する。ゲル状ジャックに変身した俺に比べたら切り裂きジャックと切り裂きバロウズが天使に思えるぜ。ゲル状ジャックに変身した俺を見た奴は全員吐く。この世のものとは思えない姿だからな。無理もない。

においもひどいもんだぜ。てめえで吐く。てめえのにおいで吐くなんてことがあるもんなんだな。笑えるぜ。おっと、「笑える」とか言うとスミジル・スミッシー・スミスの野郎に42ブッサリ払わなけれりゃならねえんだ。いないよな? そのはずだ。スミジル・スミッシー・スミスの野郎はきょうはビーナス・フォートで実演販売中だ。

c0109850_630532.jpg

俺の好物はジェリー・ビーンズとパート・ド・フリュイとみすず飴とグミとカスタード・プディングと海鷂魚の煮こごりとうなぎのアスピックと神楽坂・紀の善の抹茶ババロアだ。

ん? なにかおかしいか? クラゲがジェリー・ビーンズやパート・ド・フリュイやみすず飴やグミやカスタードプディングや海鷂魚の煮こごりやうなぎのアスピックや抹茶ババロアを喰ったり好きになったりしちゃいけねえって法律でもあるのか? ないだろう? そうだろう。

こんにゃくゼリーだけはいかんな。ありゃいけねえ。のどに引っかかりやがるしな。ん? クラゲにのどがあるのかって? あるさ! 浅田飴ののど飴だってなめるさ! 永六輔はきらいさ! 文句があるならセローニアスの兄貴に言ってくれ。あいにく、俺の係じゃないんでね。クレーム処理は。セローニアスの兄貴がみつからないなら、悪いがほかをあたってくれ。

俺の心はいつも凍ってる。なぜかって? ま、この件についちゃあ追い追いな。混みいった事情やら湿った谷やら深い森やら絶望の砂漠やらが関係しているからな。

ひとつだけ言えるのはだれもが心に疵を持っているってことだ。なに? あんたにはない? ふん。そりゃ、あんたが、

霞ヶ関の木っ端役人か、マホウ者かマホウ信者か、
お絵描き教室の生徒の耄碌爺いと乳繰り合う還暦糞婆あか、
吐いた唾を平気の平佐で飲みくさりやがる団塊糞ったれ奴か、
象印魔法瓶が突っ込まれたてめえのケツも拭けないうすら者か、
偏差値は低いくせに尿酸値と血糖値だけは一丁前に高い木偶の坊か、
孤立を恐れて群れたがるポンコツボンクラヘッポコスカタンデクノボウ瘋癲老人か、
中身空っぽのインチキまやかし鞄をぶら下げているか、カビ臭え気取り屋の古本屋か、
救いようのない馬鹿かマヌケか能天気か、いけ好かない取り澄ましジャレッティ野郎か、
ビョンだかピョンだかリョンだかジョンだかジュンだかキョンだかホンだかウンだかの半端人足か、
福建省マフィアに追われているお手々のしわを合わせてもフシアワセ不具合満載のナムナム野郎か、
チンピラ音楽に血道を上げる地雷を踏んでおっ死んだがいいリンゴほっぺのガラクタピンボケ老人か、
地雷を踏んでサヨナラしちまったほうがいい不貞が趣味の母性なきリンゴほっぺのピンボケ田舎者か、
「勝ち目はない」が口ぐせの女々しくダッサイいくせにスカしてスベってスッテンころりんの太宰信者か、
ナイーヴな街のナイーブな肉屋で売っているナイーブなロースハムが大好物の色気ちがいスパゲティ野郎か、
品のかけらもない関西婆あか、薄気味悪い呪いの人形師か、卯建の上がらねえクソ田舎の博物館の学芸員か、
恥ずかしげもなく先祖の七光りをさらして故障した日本語でチョリチョリする詩人気取りのチョリソー早漏茶坊主か、
過去の恥さらし恥知らず下衆外道を頰っ被りしてきのうは狂言の今日は落語のあしたはお能の歌舞伎の散歩のと忙しい極楽とんぼか、
「イイネ!」しすぎて腱鞘炎にかかったへっぽこスカタン懸賞金稼ぎか、人でなしのロクデナシ・ヒトデだからだ。おぼえときな!

c0109850_619688.jpg


さて、俺はちょいとジュレポン酢を仕込みに青山の紀伊国屋まで行ってくるぜ。悪いがちょっとここでそのまま待っててくれ。それほど時間はかからない。ジュレポン酢を2、3本くすねてくるだけだからさ。

ん? 「万引きは犯罪です」だあ? 知るかっ! それってうめえのか!? 四の五の言ってやがると刺胞砲ぶっぱなすぞ! 田代ギガ粒子砲ほどじゃねえが、レールガンより痛い痛いだぞ!

なに? 痛いの好き? ちょっとその件は別室で。うん。二人だけで。いろいろ用意しなけりゃならない「お道具」もあるしするし。うん。じゃ、ほんとに俺は行くぜ。

俺がいないあいだはすぐの弟のジェローがあんたたちの相手をするよ。ジェローは気はいいやつだけどちょっとだけおつむのネジがゆるんでるから、そこんところよろしく頼むぜ。

じゃあな。ほんとのほんとに行くぜ。ジェリーロールでゴ、ゴ、ゴ、ゴー! ゴーズオン!
 
[PR]
by enzo_morinari | 2014-05-29 06:10 | I, The Jelly | Trackback