カテゴリ:モンスター・レッスン( 2 )

モンスター・レッスン#2「死刑でいいです」と言ってほくそ笑んだ男

 
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 モンスターとは人間の思考の枠組みに対する異議申し立てである。 E-M-M


 刑務所出所後間もなく二人の無辜の姉妹を切り刻んだ男は言った。

 死刑でいいです。

 そして男は薄ら笑いを浮かべた。男の名は山地悠起夫。稀代の極悪人はどこにでもいる気の弱い若造小僧っ子だった。逮捕後、モンスターは嘯いた。「母親を殺したときの快感、昂揚感が忘れられなかった」と。首に縄をかけられるときも、吊るされ、ぶら下がったときも、モンスターは薄ら笑いを浮かべていたことだろう。途轍もない怪物がいたものだ。だが、山地悠起夫は特別特殊ではない。このモンスターの心性は今の時代の「標準」と考えておいたほうがいい。
 法が規定する個別具体的な刑罰は犯罪行為を予防する側面を持つ。一般予防と特別予防だ。「死刑」は究極の予防効果を期待する。通常、「死」をおそれない者はいないからだ。「犯せば死刑になる」という心理が犯罪行為への歯止め、ブレーキとなる。法はそのことを期待する。しかし、死を躊躇なく受け入れる者に法は予防効果を持たず、歯止め、ブレーキとならない。命を捨てたカミカゼ攻撃に有効に対処しうる方策がないのと同様である。大義とは金輪際縁のない姿なきテロリストはそこかしこでそのときが来るのを息をひそめて窺っている。 

 尼崎連続殺人事件の角田美代子をのぞくと、その愚かさにおいて瞠目すべきは山地悠起夫である。逮捕時の凍りつくような薄ら笑い。公判時の言動。過去に母親を惨殺した経緯。父親の他人事のような言動。「条件」は整いすぎるほど整っている。
 角田美代子には「貌」があったが、山地悠起夫には「貌」も「顔」も「表情」もない。当然だ。われわれが現に生きているこのアノニマスな時代は顔と貌を失い、さらには「心」「魂」さえもがあてなく彷徨わざるをえない時代でもあるからだ。
 間延びし、引き延ばされ、のっぺりとした日常は無表情無感動のテロリストの一撃一閃によって木っ端微塵にされる危機を孕んでいる。だれもがテロリストとなりえ、その犠牲者となりうる時代。そのような空前絶後の時代になったのだ。今の段階で言えることは、われわれはつねに山地悠起夫的な犯罪の前に有無を言わさず立たされているということだ。
 モンスター・レッスンはモンスターの攻撃を防御するためのものではない。モンスター・レッスンは、ある日突然襲いかかってくるモンスターの攻撃蹂躙に対して覚悟を決めておくための公正証書づくりである。「死刑でいいです」と言ってほくそ笑む者に対して取りうる有効な防御法はない。なにがしかの効果を持ちうるものがあるとすれば、テロリストに対してはテロリストとなり、殺人者に対しては殺人者となって対処することだろう。時代はまさに「殺人狂時代」に突入したのである。

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by enzo_morinari | 2013-07-03 20:55 | モンスター・レッスン | Trackback

ハッシュド・ブッダのケムーリはあるが一点の曇りもなき俗っぽさ満載のジニーな1日

 
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 タンカレーの幻の群青色のジン、『AZURE et BLEU/HEART OF GENIE』を豚に真珠状態で1ケースも飲んだ揚げ句に、万人に例外なく吐気を催させる不気味スライム色のカンチンガイ・ジョシンカイ・ランチンカイ戦略爆撃旅団による絨毯爆撃を受けた村。
 冒頭行商人のペドラーから魔法のベッドを売りつけられて以降、一向にうだつの上がらないベッド・ミドラーの劣化老化ぶりについては『We are the World』における彼女の能天気お転婆ぶりを知る者にとっては悲しむべきところではあるが、それとても、アロマティック・レゴソープの開発者である第三村人代表のマキ・サエグーサがエベレスト級ラオス・ライスだらけのラ王ラオスで経験した孤独と困難と困憊と表面張力コンドロイチンと貧者の一灯コンドミニアムに比すればどうということのないマンマンチャンアンなチョコリ・キュートさである。
 オツムのピントのズレたカメラ小僧が腐ったバナナ色のカレカレ彼女に向かっていくら合掌し、合唱し、合焦しても合従できないのと同様に、劣化老化ベッド・ミドラーにやがて訪れるジャスミン色のマリーゴールドの死を米タワーに供えるくらいの気持ちの余裕は常備しておきたい今日この頃である。砂漠の王国、ランバダ・アグラバーでアリ・アバブアにエキサイティングな足止めを喰らうまではだが。

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 フラワー・トラベリン・バンドの最終ツアー地、サトリ村の村娘スジャータの愁いの表情に似せた菩提樹を簡易シャワーに輪廻転生させたエベレスト級ラオス・ライス製キンピカ金魂巻ブサイク・モザイク・リタでルンルン・ハシシ・ハッシュ・ブッダの俗っぽさには一点の曇りもなかった。
 アロマティック・レゴソープ(aromatic LEGO SOAP ©SAEGUSA FULCRUM POINT)の白レゴソと黒レゴソを得意げ鼻高々に使用して全身泡まみれスマタまみれののちに沐浴するエベレスト級ラオス・ライス製キンピカ金魂巻ブサイク・モザイク・リタでルンルン・ハシシ・ハッシュ・ブッダの特製凡愚からはなにを勘ちがいしたのか悪辣悪徳悪党漫才コンビのジャファー&イアーゴがミコノス島産キクラデスの空飛ぶぶっ飛びパン、またの名をイケナイ・カタオカスモカとともに現れたのだが、極上のトリップシッターによるセットはすでにして大団円を迎えていて、悪辣悪徳悪党漫才コンビのジャファー&イアーゴの出現に気づく者はもはやいなかった。バブー・アブーに食らいつくスカイプレーの名手、ラジャー・バジャーTu16-Type 39の低い唸り声だけが白法隠没の訪れを知らせている   

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 Flower Travelling Band - Satori - 1971
 
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by enzo_morinari | 2013-05-07 04:36 | モンスター・レッスン | Trackback