人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カッコイイとはこういうことさ。

 
カッコイイとはこういうことさ。_c0109850_23162424.jpg

 パリの空の下、うたかたの恋はやぶれ、この素晴らしき世界はバラ色の人生との逃避行の果て、カサブランカのリックの酒場に立ち寄り、スティング・バス「心のかたち」停車場を経由して、マギー・メイ号による愛の海セーリングを満喫色欲是空空前絶後放埒自在酒池肉林超絶堪能。最後は下町列車で青年トルコ党本部着。お別れはいつものさよならで。
 ロッド・スチュワート。大英帝国第三等勲爵位保持者。イカす。ものすごくイカす。なりたい。ロッド・スチュワートになりたいんだ。いまにはじまったことではない。もちろん、吾輩がその気になればいつだってもロッド・スチュワートになれる。いまのところその気になっていないだけのことである。ほかにやらなければならないことが山ほどあるからだ。
 年齢をかさねるごとにカッコよくなっていく男がいる。逆に、門松は冥土の旅の一里塚よろしく、老いさらばえていくばかりの者もいる。ロッド・スチュワートはあきらかに年をとり、おっさんになってからますますよくなった。若い頃のロッド・スチュワートには見向きもしなかったが、年を取り、齢を重ね、しわの増えたロッド・スチュワートには物凄い勢いで魅かれた。サミュエル・ウルマンの『青春』という詩がこのことを端的に表現している。

「青春」とは、人生のある期間をいうのではなく、心の様相をいう。
 優れた想像力、たくましき意思、燃える情熱。
 怯儒をしりぞける勇猛心、蛮勇をふり捨てる冒険心。
 このような心の様相を「青春」というのだ。

 歳月をかさねただけでは人は老いない。
 理想を失ったときに初めて老いがやってくる。
 歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に青春はしぼむ。

 苦悶や不安、恐怖、失望。
 これらが人を老いさせ、
 生気ある魂をも芥に帰せしめる。

 70歳であろうと16歳であろうとその胸中に抱きうるものはなにか。
 大空にきらめく青雲の志、事に処する剛毅な挑戦。
 子供のごとく求めてやまぬ探究心、人生への歓喜と興味。

 人は信念とともに若く、疑惑とともに老いる。
 人は自信とともに若く、恐怖とともに老いる。
 希望ある限り若く、失望とともに老い朽ちる。

 自然や神や他者から、美しさや喜び、
 勇気や力などを感じとることができるかぎり、
 その人は若いのだ。

 感性を失い、心が皮肉に被われ、
 嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いる。
 そのような人は神様の憐れみを乞うしかない。



 というようなわけで、ロッド・スチュワートにはならないが、ロッド・スチュワートの歌を聴く。例の嗄れた声に酔う。音源は次の通り。

『It Had to Be You/The Great American Songbook Volume 1』
『As Time Goes By/The Great American Songbook Volume 2』

 Go! Store! Go! Just Now! 損はさせない。それが樽犬クオリティ!

カッコイイとはこういうことさ。_c0109850_2317335.jpg

 
by enzo_morinari | 2013-02-03 23:17 | 流儀と遊戯の王国 | Trackback | Comments(1)
Commented by r_magnolia at 2013-02-04 10:00
ロッドのアルバムはなんてったってSmilerが最高に好き!!
<< たたかうシニフィエ、かいくぐる... 『下灘物語』のためのいくつかの... >>